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本科ソーシャルデザイン実習が「エシカル×シカケル」動画 7 リリースしました

2023.3.16

毎日着る服。それを提供するアパレル産業は石油産業に次いで、世界で2番目に大きな環境汚染産業と言われています。服と環境、この身近で巨大な社会課題に、2022年度 CoSTEP本科ソーシャルデザイン実習は取り組んできました。その集大成として制作したのが「エシカル×シカケル」と題したシリーズ動画7本です。2月25日から3月1日にかけて連日YouTube配信しました。

エシカルは倫理的な、という意味を持ち、昨今、エシカルファッションと言えば、持続可能で人と地球にやさしいファッションを表現する言葉になっています。「エシカル×シカケル」は、服と環境をめぐるエシカルな問題解決に向けてシカケル人や技術を取材、ラジオ感覚で聞けるインタビュー3本(№1-3)と、1分ほどで気軽に見られる動画4本(№4-7)にまとめました。

【エシカル×シカケル 1】 SDGsに次世代の声を/佐竹輝洋さん

札幌市職員としてSDGsの浸透に取り組む佐竹さんインタビュー。古着回収を糸口にSDGsから若者論まで話題が膨らみます。

【エシカル×シカケル 2】ファッションに哲学を/田中宏明さん

北大で働きながらデザイナーとして活躍する田中さんインタビュー。メタバースからキノコ死装束まで縦横無尽に服と環境を哲学します。

【エシカル×シカケル 3】 北海道から資源をまわす/菅原道紀さん

全道でリサイクル事業を展開する鈴木商会のESG推進室で実験的な取り組みを進める菅原さんインタビュー。車のエアバッグから服を生み出す一方で、古着からベンチを創り出す、最新の取り組みを語ります。

【エシカル×シカケル 4】傷んだ服を自分でなおす

服を長く着るために、傷んだら自分で修繕すればいい。でもどうやって?エシカルな選択肢を提供するアウトドア専門店で、リペア体験をしてみました。

【エシカル×シカケル 5】伝統技術で染め替える

服を長く着るために、くたびれたら染め直せばいい。和服で当たり前の染め替えの技を、洋服にも。創業1948年の染屋さんに、お気に入りのTシャツを持ち込みました。

【エシカル×シカケル 6】人を守るエアバッグがMA-1ジャケットに生まれ変わる

使われなくなった自動車、その多くは無駄なく再利用されます。しかしエアバッグはこれまで再利用が難しい素材でした。そこに切り込んだのが、エアバッグからMA-1ジャケットを作る取り組み。役目を終えたエアバッグが新たな形で人を守ります。

【エシカル×シカケル 7】魚網が糸に生まれ変わる

本州と北海道をつなぐ北の大地の海の玄関、苫小牧。この場所には、北海道中の港で廃棄された漁網が運ばれてきます。漁網を原料に戻して、新しいものに編みなおす。漁網が、あなたと環境の関係も編みなおします。


様々な社会課題とその解決について、アートを用いて実践しながら学ぶソーシャルデザイン実習のなかで、このコンテンツ制作配信に至るまでには、多くの紆余曲折がありました。まず服と環境問題という大テーマから、自分たちが目指す目標を「ついついエシカル消費」に定めたのが8月。服の選び方をエシカルに向ける方策を探るべく、10月CoSTEP受講生を対象にミニワークショップ「今日なに着てる?」を開催しました。

11月の東京アートツアーを経て、服のエシカル消費につながる情報をSNS発信しようとなり、選んだのがTikTok。環境問題に関心を持たない人たちに、短い動画で負担感なく知ってもらえたら、という狙いでしたが、メンバーの大学院生3人と社会人2人合わせて5人とも揃いも揃ってTikTok未経験、まずアカウントを作るところから始まります。そこから年末年始をはさんで1か月、バズることに気を取られ何を発信するかコンテンツの中身が揺らいでいき、慣れないメディア接触に疲れた果てに、ついにTikTok発信を断念することになりました。

ここで仕切り直し、リサーチの結果、服と環境問題の解決に向けた取組が道内でさまざま行われており、伝えたい中身が固まります。それを届ける方法としてインタビューと短い動画をYouTubeで発信することになりました。

どうにか軌道修正したものの、時すでに1月中旬。切迫したスケジュールのなか、メンバーの得意を生かして役割分担し、取材と編集作業に集中、どうにか配信完了したのは3月1日、修了式の3日前でした。

「エシカル×シカケル」動画で狙いとした点は、情報アクセスのハードルを下げること、多様な価値観を持つ人に届くフックを作ることです。1分程度の短い動画から、服を長く着る意味や方法を知ったり素材リサイクルの今と未来に触れ、あるいはラジオ感覚で耳を傾け、服と環境をめぐる多彩な物語や可能性に気づく、そんなコンテンツになっていれば幸いです。ぜひリンクを踏んで、しばしお付き合いください。