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朴炫貞が「アノオンシツ」作品展示を行いました

2020.9.22

札幌キャンパスにある古い温室の新しい使い方として、CoSTEPのスタッフ朴炫貞が「アノオンシツ」というアートプロジェクトを始めました。73年に建てられた温室でバイオアートを軸にして、作品を中心に対話が生まれる場を目指します。instagram、またfacebookからも情報を発信しておりますので、ご興味がある方はチェックしてみてください。

その最初の作品制作プロジェクトが9月19日から4日間行われました。作品のタイトルは「きいろい線とピンクの点」です。

インスタレーション
和紙、鉛筆、ピン、ナイロン糸
2020

札幌冬季オリンピックのために建てられた石山通りをわたる橋が、耐震基準を満たさないことで、来年の夏頃撤去することが決まったそうです。空をわたる道がなくなることにしたがって、また別の道が必要となり、道をつくるための測定がなされました。その結果、土と木の場所に、きいろい線が敷かれました。

きいろい線は、新しい道の部分を示すしるしです。そのしるしの中に入っている木には、ピンクの名札が貼られました。倒れることを待たされるピンクのしるしには数字も言葉もなく、ホチキスの形だけ残されています。そのピンクのしるしを基準に、木の肌をフロタージュして一本のピンクの線でつなげました。

樹皮の凸凹やパターンだけでなく、木に広がった葉っぱや枝、蔦などの痕跡が紙の上に広がりました。また種類が異なる木はもちろん、同じ木であっても模様は全て異なることに対する発見もありました。

また、直線は存在しない森の中に人工的なピンクの直線がつくりだす幾何学な図形は、見る人の角度や位置によってい変化します。レザーの線のようにも見える、不思議な感覚をおこします。

道路と並行する森の中。敷かれたきいろい線と、打たれたピンクの点。線と点をつなげて面で記録することで木が生きてきた場所と時を残す作品です。今回作品を楽しんでいただいた方から、普段通り過ぎる木や場所でも、その裏にあるストーリーを聞くことで、また作品になることによって、改めて見て自分なりの発見があるというコメントがありました。森の生物に対して、森と私たちとの距離について、それぞれが自主的に考えることは、科学技術コミュニケーションにも大事な要素だと改めて感じました。

9月19日から4日間、公開制作と作品展示を行ったところ、30名ほどの方に作品制作を手伝っていただいたり、鑑賞していただきました。10月5日の伐採開始の前まで、インスタレーションは楽んでいただける予定です。ただし、現場の伐採作業の進捗によって、途中で部分的な撤収作業が入る可能性がありますが、その部分も含めて公開します。

*作品はいつでも見られます。ただし、夜になると足元がよく見えないため危ないので、明るい時の鑑賞をお勧めします。

*アノオンシツは、以下の日程でオープンします。

 9/25(金)12:00~15:00

 9/26, 27(土日)10:00~16:00

 9/28~10/2(月~金)12:00~15:00

 10/3, 4(土日)10:00~16:00

アノオンシツの場所は以下の地図をご確認ください。農学部の裏にある橋をわたると、アノオンシツと作品が見えます。

また、今後も伐採の様子も記録を行い、展示や映像作品の発表を行っていこうと考えています。

北海道大学におけるアートの動き、今後にもぜひご期待ください!

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ご協力いただいた関係部署と関係者の方にお礼申し上げます。

北海道大学 CoSTEP
北海道大学北方生物圏フィールド科学センター 森林圏ステーション札幌研究林
林 忠一 / 北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター
岡 碧幸 / 作家、北海道大学 CoSTEP 13期生
藤戸 永志 / 北海道大学 札幌研究林
佐々木 圭子 / 北海道大学 札幌研究林
佐々木 義久 / 北海道大学 大学院農学研究院 木材工学研究室
朴 志現 / 北海道大学 CoSTEP 研修科
朴 秀寅 / 北海道大学 研究生
許 端娥 / 株式会社イズミシステム設計
藤田 涼子 / 北海道大学 CoSTEP 16期 アート&デザイン実習