札幌文化芸術交流センター SCARTSと北海道大学CoSTEPが共同し、若い世代のアートとサイエンスに対する探究心や感性を養うことを目的としたプロジェクト、アート&サイエンスの今年のテーマはプレコンセプションケアです。少子化が進む中、国は若年層に向けた性と体の教育、プレコンセプションケアを展開しています。一方でライフイベントのタイミングは個人の選択です。それぞれが自律的に判断する情報と、科学的情報として広く伝える情報、そのバランスを考えていかなければいけないのが、プレコンセプションケアです。
CoSTEPとSCARTSでは、劇作家の市原佐都子さんと共に、生物としてのプレコンセプションケアというテーマを探索していきました。市原さんは「プレコンセプションケア*」から着想を広げ、「粘菌とAI」をモチーフに根源としての生と現代における再生産される現代的な生について表現していきました。

本作では、粘菌の動きを解析し、その動きを市原さんの合唱を出力する大規模言語モデルに読み込ませて合唱を奏でるという仕組み。粘菌の根源的な生への動きと、その動きをまねてAIが奏でる合唱の不協和音。生命と人工のはざまについて考える作品です。

CoSTEPでは、大学院共通科目「アートで現代を考える」という講義を開講しています。この講義の歩行として、本作を見るというギャラリーツアーが開催されました。

作品が制作される過程も展示されています。

成果物では、CoSTEPとSCARTSが開発した高校生向けプレコンセプションケアワークショップツール「プレコン!」も展示されています。

本作には市原さん以外に、生成AIの開発にアーティストの岸裕真さん、粘菌の提供に電子科学研究所の中垣俊之(北海道大学 電子科学研究所 知能数理研究分野 教授)さん、越後谷駿(北海道大学 電子科学研究所 知能数理研究分野 特任助教)が関わりました。越後谷さんはCoSTEP13期生でもあります。当日のトークショーには、朴炫貞とSCARTSディレクター木ノ下智恵子さんが登壇しました。