Articles

羽幌町にて写真撮影を通じた科学技術コミュニケーションイベントを実施

2013.11.1

「対話の場の創造」実習のメンバーは、10月20日(日)に羽幌町にて、写真教室と科学技術コミュニケーションを組み合わせたワークショップ「羽幌のお宝撮りおこし〜科学のレンズで見てみよう〜」を開催しました。講師には、羽幌町天売町在住の自然写真家、寺沢孝毅さんをお迎えしました。

午前10:00から15:15までという長丁場のワークショップでした。会場の羽幌町立中央公民館には、愛用のデジタルカメラを手にした地域の方が11名集まりました。
このイベントは、上手な写真の撮り方を教わりながら 、“科学の視点”で町を見つめることで地域の魅力を再発見してみよう、という目的で企画されたものです。私たちは、写真を撮影する時に誰もがおこなっている、身の回りのものを改めて観察したり、集めたり、記録したり、撮影したものを比べたり、分類したり、自分の知識や経験と結びつけたり、互いに見せ合ったり、それらについて語り合ったりすることこそが、「科学」の原点、「科学」という視点であると考えたのです。
羽幌町の魅力は?
まず最初にアイスブレイクとして、参加者のみなさんに小グループに分かれてもらい、思い思いの「羽幌町の魅力」を付箋紙に書いて共有してもらいました。はじめは「自分の住んでいる街の魅力なんて・・・」ととまどっていた方も、互いに意見を出し合うことで触発され、次々に新しい魅力が思い浮かんできたようでした。
なぜ写真を撮るのか?
場が暖まってきたところで、いよいよ寺沢さんによる講義です。寺沢さんには、ご自身の数々の素晴らしい作品を紹介してもらいながら、初心者にも参考になる分かりやすい撮影のコツを解説してもらいました。一方寺沢さんからは、「なぜ写真を撮るのか?」という大きな問いが発せられました。
私たちは、寺沢さんの自然への愛情と写真撮影という表現行為が根底の部分で深く結びついていることを知ると同時に、自分はなぜ写真を撮るのか、何のために、どのような表現行為をするのか、ということを改めて考えさせられました。
思い思いの場所で写真撮影
講義が終わると参加者のみなさんは、寺沢さんの言葉を参考にしながら、思い思いの場所で撮影を行いました。幸い天候にも恵まれたため、短い時間ではありましたが、みなさん、住みなれた町を改めて見つめ直しながら、撮影の時間を楽しんでいました。
寺沢さんによる講評
撮影が終わると、参加者のみなさんは自分の撮った写真から2点を選んでプロジェクターで投影し、寺沢さんに講評してもらいました。
寺沢さんから、温かい励ましの言葉をもらい、みなさんの写真への興味がますます高まったのではないでしょうか。
「科学の視点」ワークショップ
最後に、参加者のみなさんに3グループに分かれてもらい、「「科学の視点」ワークショップ」を行いました。「科学の視点」といっても難しいものではなく、自分たちの撮影した写真を素材に、科学の原点である「分類」を体験してみよう、というものです。
参加者のみなさんが撮影した写真と、スタッフがあらかじめ撮影しておいた写真を印刷して各グループに配り、スタッフから出される「お題」に応えて、各グループで作業を行いました。お題には、「同じ色のものを集めて分類してみましょう」といった簡単なものから始まり、「古いものから新しいものまで順番に並べてみましょう」といったちょっと難しいものまで、様々なものが含まれていましたが、参加者のみなさんはお題や写真をきっかけにして、終始話に花を咲かせていました。
イベントを振り返って
私たちは、参加者のみなさんが、 このイベントをきっかけに“科学の視点”を持ちながら地域を見つめ直し、その新たな魅力を発見してくれることを期待しています。
アンケート結果を見ても、科学に対するイメージが変わったか、という問いに対しては、「全然ちがいました。楽しくすごせました」「とても身近なものに感じられました」という答えがありました。
また、羽幌町について改めて気づいたことは、という問いに対しては、「意外に見る場所があった」「いろんな知らないところがありました」「とてもいい景色や知らなかった所があったので、観光等に役立てれたら良いなあと感じました」「自分でみずから足を運んでいない所がまだまだあると再発見しました」「自然が、とにかく豊かだなぁと、つくづく思いました」「外に目を向けるとまだまだ思いが感じさせる所(見方が変わる)が沢山ありますネ。」という意見が見られました。
ゲストの寺沢さんからも、「羽幌にもまだまだ知られていない魅力的な撮影対象がたくさんあることを改めて教えてもらった」と感想をいただきました。
インターネット展覧会「羽幌×科学=Habology」
私たちは、このイベントを一過性のものにしないために、「インターネット展覧会」と題して、写真で羽幌町の魅力を共有できる特設Facebookページ「羽幌×科学=Habology」を開設しました(※コンテンツに関しては現在準備中です)。このページでは、羽幌町の様々な表情を切り取った写真を募集しています(くわしくはこちらのpdfをご覧下さい)。羽幌町やその周辺地域に関する写真であれば、応募者はどなたでも構いません。私たちは、応募された写真を掲載すると同時に、それぞれの写真に関する「科学の視点」からの一言コメントをつけていきます。
今後も継続して、この特設ページへの写真の投稿を呼びかけ、ページ上でのみなさんの交流を支援していきたいと考えています。