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光るサイエンスワールド!

2013.10.31

カテゴリー:デザインワークショップ

イベント:札幌デザインウィーク2013

制作者:グラフィックデザイン実習チーム

制作年:2013年10月


札幌デザインウィーク2013の出展企画「デザインワークショップ;光るサイエンス・ワールド!」の実施レポート

 

報告:古家衣梨さん(環境科学院修士1年)

 

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夏のサイエンスパークから、2ヵ月半。10月27日、日曜日。再び、私たちCoSTEP本科のグラフィックデザイン実習生と、北海道大学工学院 先端材料化学研究室(長谷川研)の院生の皆さん(高畠勇さん、鈴木勇喜さん、渡邊和音さん)が協働で、サイエンス・ワークショップ(以下WS)を行いました。

 

 

 

 

なんと今回は、SAPPORO DESIGN WEEK 2013に初参加!SAPPORO DESIGN WEEKは、今年で9回目。このイベントは、建築や、インテリア、グラフィックなどのクリエイティブな仕事をしているプロをはじめ、デザインを学ぶ学生たちが参加するイベントです。そんな中に私達も参加することができ、嬉しい気持ちと同時に、大変身の引き締まる思いがしました。

今回のWSは夏に実施したサイエンスパークから更にパワーアップさせました。このレポートでは、そのパワーアップした箇所を中心に振り返りたいと思います。

<1. 季節変化を小さな世界でも!ロール紙デザインの変更>

まずは森と海の小さな世界を夏から秋バージョンに変更しました。今回もデザインは古家が担当しましたが、今回はクーピーペンシルを使って、紅葉が始まったこの時期の北海道の森や山を描かせていただきました。

 

<2. 光る!生き物図鑑の生物を7種→10種に!>

皆さんは、光る生物の「光り方」にもパターンがあることは知っていますか?夏のWSでは、”自らのエネルギーを使って光を発する”生物のみの7種を厳選しました。しかし、これらは、自然界でも少数派の「光り方」なのです。今回は、多数派である、”外からの光を反射して光る”生物の厳選3種を新たに加えました。加えた生物は、エゾシカ、ヒカリゴケ、フクリンアミジ(海藻の1種)。なぜエゾシカ?と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、エゾシカの目、光りますよね?これは、光を反射する板のような構造を目の奥にもつためなのです。今年のデザイン班の仲間である、コケの研究をする藤田拓矢くん、海洋プランクトンの研究をする山田規子さんが、自らの研究の知識をここで活かしてくれました。また、生物種を増やしたので、図鑑も新しくデザインし直しました(図鑑デザイン担当は山田さん)。

 

 

 

<3. 新コンテンツ、博士による光る生物レクチャー!>

夏では、光る生物について、子ども達に伝えるコンテンツを用意できなかったことが残念でした。そこで今回は、生物の研究者の卵でもある2人、山田さんと、鳥の研究をしている阿部万純さんが海博士・森博士となり、「光る生物のひみつレクチャー」というコンテンツを設けました。ここでは、ホタルが光るのはプロポーズのため、といったような生物たちの光る「理由」を子ども達に伝えました。阿部さんの描いたかわいいイラストを用いて、子ども達が楽しめるようにクイズ形式で行いました。子ども達も、最初から最後まで楽しんでくれたようでした。

 

 

 

 

<4. 参加者から、フィードバックをもらおう!>

前回のWSの後、参加者からフィードバックをもらいたかった、という反省点がでました。親御さんからも、子どもたちからも、何か感想や評価をもらいたい、ということで、今回親御さん達には、簡単なアンケートを配布。また子ども達には、WSの流れの中で、一言感想を付箋に書いてもらいました。今回のアンケートでは、「子ども達にとっていい経験になったと思いましたか?」という質問に5段階で応えてもらいましたが、なんと、全回答9枚中4点が1枚、あとは全て5点をいただきました!さらに、一言コメントでも、「学生のみなさんが元気よく明るくもりあげてくださり、楽しく参加しました。内容もすばらしいと思います。」など、嬉しいコメントをたくさんいただきました。

 

 

子ども達に書いてもらった付箋には、「楽しかった!」「面白かった!」といった感想がほとんどで、このようにフィードバックをもらえたことで、私達自身も非常に満足できました。

 

他、前回と同じコンテンツでしたが、2回目とあって以前よりもみんな手慣れているようでした。

以下、一緒に行った仲間からの感想を紹介させていただきます。

黄色グループ・リーダー:渡邊和音さん

私のグループは比較的低学年の子ともたちに参加していただいたこともあり、始めは少し難しい内容かもしれないと心配でしたが、一人ひとりがオリジナルの作品制作に没頭している姿を見て安心しました。今回のイベントを通して、「光る」という現象がいかに身の回りの生活で役立つたけでなく、多くの人の心を楽しませるものであるかを感じていただけたら嬉しいです。

青グループ・リーダー:鈴木勇喜さん

GRは子供たちと最も近くで触れ合うことのできる役割でしたので、子供たちが楽しそうに活動する様子を間近で見ることができ非常に達成感がありました。特に、子供達が光る塗料を使って「光るー!」と嬉しそうにお絵かきする姿を見たときは、理系の道を選んで良かったと思う瞬間でもありました。

今後研究者として社会に身を置く者として、自分達の研究を社会に還元するあるいは伝えていくことの大切さを実感しました。貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました。

森博士:阿部万純さん

前回からパワーアップした今回の企画では、森海博士による発光生物のレクチャーを行ったことで子供と接する時間が増えました。どうすれば分かりやすく伝えられるかを考え、クイズ形式にする、絵や写真を使うといった工夫を凝らしました。結果としてはアンケートに「博士のクイズが良かった」と書いてくれた方がいたので、成功だったと思います。子供たちも楽しそうに参加しているように見えました。

企画そのものについては、準備期間にチームワークを発揮して仕事をうまく分担できたことが成功につながったと思います。デザインのみならずたくさんの事を学んだワークショップになりました。

最後に今回前回と司会を務めた私の感想を少し。

 

今回のイベントは、前回よりも進行が難しかったです。というのも前回は、サイエンスパークというイベントの中のWSという位置づけだったので、子ども達は科学に興味をもつ子どもばかりでしたし、何より小学校3〜6年生限定でした。

しかし今回はたまたま地下歩行空間を通りかかった、といった親子連れの方が多く、子どもの年代も、幼稚園・保育所から小学校高学年までと多様でした。よって、私達全員がそれぞれの子どもの年齢にあった対応をしなければなりませんでした。特に、より小さい子ども達の行動は全く予想ができず、安全管理の面や、イベントの進行が思うようにいかないこともありました。しかし、前回の経験があったので、比較的落ち着いて進行ができ、アクシデントにも臨機応変に対応することができました。自分の成長を感じることができました。今回も、山岸正美さん(デザインウィーク実行委員長),珠子先生をはじめ、さまざまな人達の助けを借り、無事にイベントを行うことができました。この場を借りて御礼申し上げます。