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教職員向け研修会「記者が取材したくなるプレリリース書き出し方」開催されました

2014.3.30

教職員向け研修会「記者が取材したくなるプレリリースの書き方・出し方」を実施しました。講師に関根裕明さん(北海道新聞 編集局 札幌圏部 編集委員)をお招きし、記者の心をつかみ、発信につながるプレリリースの書き方、出し方を学ぶ内容です。レクチャーに加えて北海道新聞社の見学も行い、参加者の質問や意見が絶えない研修となりました。

光るプレリリースの書き方

参加者の方々がふだんどのようにプレスリリースを作成し発信しているのか、いくつか質問することから研修がスタートしました。「プレスリリースを出したが、問い合わせや取材がまったくなかったという経験があるか?」「常識的な難易度で書いたつもりだが、難しすぎる(またはやさしすぎる)と指摘されたことがあるか?」「どのメディアに載せたいか、考えて書いたことがあるか?」などです。それぞれの経験が語られ、課題や疑問を共有します。これに対して、実践的な考え方を交えながら関根さんがひとつひとつに回答、解説を加え、「プレスリリースというもの」の全体像を形作っていきました。

記者の心をつかむには?

では、記者の心をつかむプレスリリースとはどんなものなのでしょうか? 北大のプレスリリースの中から講師が独自にピックアップした例を紹介します。「絵になる」写真が載っていることで一面に掲載される可能性がある事例や、魅力的なタイトルでその先を読み進みたくなるもの、インパクトのある文章構成が施されたものなど、記者の視点から話られます。

プレスリリースが記事になるまで

午後は、関根さんの案内で北海道新聞社 編集局の内部を見学しました。記事が作られる過程を見ることで、メディアについての理解を深めるのが目的です。編集局の広い部屋に入ると参加者の方々の目はさらに輝き、すべてを見逃すまいという姿勢が伝わってきました。その日に発行される新聞の編集作業、取材する方や内勤の方の業務内容、なによりプレリリースは誰からどのように手渡され記事となるのか、現場を肌で感じます。

現場を見て、あらためて疑問点の共有

編集現場に触れることで、参加者からは「確かに」「なるほど」といったつぶやきと共に、さらに「プレリリースを出すベストタイミングは?」「年間を通して記事に採用される可能性が高い時期は?」など、一歩踏み込んだ質問がつぎつぎと発せられるようになっていきます。「現場」がもたらす大きな刺激で、さらに詳しく知りたい気持ちが高まっていくのが伝わってきます。

一筋縄ではいかないプレリリース作成

参加者と講師、互いの熱気がとてもいい雰囲気を醸しながら、研修は終了に近づいてきます。そして最後に関根さんから大切な言葉が。「書かれた内容が事実であっても相手が受けとめられなければ、真の情報とはなりえない」。プレリリースの書き方には、こうすれば良いといった「金科玉条」はありません。記事やメディア、記者、そして紙面のバランスなどすべて個別の特性を持っています。だからこそ、工夫を重ねていくことが大切のなのです。

参加者の皆さんが事前に提出していたそれぞれのプレスリリースには、関根さんから一人ずつにていねいなコメントが付けられて返ってきました。研修の中で全員で理解したこと、そして自分の作品のどこを直せばいいのかといったことがわかるように配慮されたものです。


 

今回受講したのは12名。アンケートからはすべての方から満足という回答をいただきました。きらりと光るプレリリースの作成、楽しみにしています。