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科学と社会をつなごう! 10年目のCoSTEP開講しました

2014.5.16

科学と社会を結びたい、という熱意を持ったたくさんの人たちが、今年も北海道大学に集まってきました。きれいに晴れた5月10日に、CoSTEP10年目の活動が始まったのです。

10年の軌跡

CoSTEPは今から10年前の2005年7月1日、科学と技術について専門家だけに任せず、科学と技術、そして私たちの社会をもっと健やかに育ていこうとの思いのもとに北大で始まりました。これまでに北大生や北大の職員だけではなく、会社員、学校の先生、博物館や科学館、図書館に務めている人も含め、550人を超える様々な人が受講しました。そして学んで身に付けたことを活かしながら、今も日本各地で活動しています。

今年も82名が受講

そして10期目となる今年は82名が受講することになりました。週2回フルコースで学ぶ本科生が28名、集中講義やe-ラーニングで学ぶ選科生が50名、そしてCoSTEPを修了後さらに学びたいという研修生が4名です。本科生は札幌在住の人がほとんどですが、選科生は7割が札幌外からの参加で、関東や関西からの方もいます。

10日は理学部大講堂で開講式と、NHKエデュケーショナルの佐藤和正さんをお招きした特別講演会「カガクするココロを育む“デザインあ“の挑戦」が開かれました。

絆固めたオープニングワークショップ

続く11日午前中は、CoSTEP石村さんによる第1回目の講義「科学技術コミュニケーションの原点と座標軸」がありました。「理科離れ」は本当か? トランスサイエンス、正当性と正統性、納得解、対話といった言葉で、広大な科学技術コミュニケーションの世界の座標軸が示されました。

そして午後からはオープニングワークショップが開かれました。参加者39人がAからGまでの7つのグループに分かれ、スタッフ・ファシリテーターも交えて「科学技術コミュニケーションの面白い企画を一本みんなで作る」という課題です。2時間足らずで発表までしなくてはいけないので大変です!

じっくり話し合うところもあれば、いろいろなキーワードを書いたカードをぺたぺたと張り出すところもありました。黒板にまとめるところも…。話し合いやディスカッションにはいろいろなタイプがあることがわかります。

時間が足りなくなりそうでしたが、最後には集中力を発揮。模造紙1枚にまとめるだけでなく、なんと寸劇に仕上げてプレゼンしたグループがいくつもありました。

以下にグループ名と企画名を簡単に紹介します。

A 『サイエンスピクニック』ウミウシのフィールドに出かけそれでTシャツ染めよう。

B 『わからないを自慢する!』専門家に聞くけど、彼らだってわからないことも。

C 『対話を演じて科学に触れる』演劇を使った教材パッケージの開発。起業家だ!

D 『北海太郎・自らを語る』発達障害がわかるプロジェクト。シリアスなテーマも大切。

E 『Japanese Wildlife毒草を食べよう』日本土着科学体験多国籍プロジェクト。独創!

F 『海流戦隊ヒョウリュウジャー』漂流ゴミ拾いから始まるヒーロー物。おもしろい!

G 『まるごとぜんぶごちそうさま 食卓大研究』野菜まるごと料理の体験イベント。

タイトルを読んだだけで企画のユニークさがわかります。それぞれ「科学技術コミュニケーション」をみんなで一所懸命に考えた素晴らしい結果です。この過程で参加者の絆は一段と深まったようです。

ワークショップの最後に石村さんが、みんなのそんな気持ちを代弁するように、まとめてくれました。

「科学は孤独ではない。科学技術コミュニケーターは孤独ではない」

さて、これから一年間、どんなものが生まれてくるか楽しみです。