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ゲーミング体験会を実施しました

2019.3.26

横山実紀(CoSTEP13期修了生/大学院生)

2019年3月23日(土)の午前・午後にわたり、北海道大学高等教育推進機構棟にて、北海道大学 大学院文学研究科 環境社会心理学研究室の主催で、ゲーミングの体験会を実施しました。CoSTEPの修了生を中心に15名の参加者が集まりました。人数の都合で、当初予定した仮想世界ゲームの実施は見送り、他に準備した6つのゲームを行いました。

ゲームを通じて、参加者全員とコミュニケーションをとる機会があり、ゲームそれ自体を楽しみつつも、ゲーミングについて、また科学技術コミュニケーションについて考える、密度の濃い一日となりました。

午前中は、「ナットゲーム」(共有地の悲劇を単純化して模したゲーム)、「Mars Message」(集団意思決定場面での情報共有の難しさを扱ったゲーム)、「廃棄物ゲーム」(社会的ジレンマ状況で監視罰則の効果を考えるゲーム)、午後は「階層間移動ゲーム」(格差の再生産を扱ったゲーム)、「説得納得ゲーム」(説得者と被説得者の文脈の違いを扱ったゲーム)を、大沼進先生(大学院文学研究科 教授)のファシリテートの下、行いました。

ゲーム後の振り返りでは、ゲームの解説や、現実の場面での適用や注意すべき点など様々なレクチャーもいただきました。またレクチャーだけでなく、参加者同士で感想を言い合える機会もあり、互いにもつ知識や経験、考えを共有する時間も得られました。

また、5つのゲームを終えた後、最後の一つとして2018年度の対話の場の創造実習のTHE GAMEチームが開発した「THE RULE」を行いました。当初の予定にはありませんでしたが、その場で古澤先生にご用意いただきました。みんなでルールを話し合い、そして真剣に遊ぶ時間はとても楽しかったです。

今回は、本来行おうと考えていた「仮想世界ゲーム」の実施には至りませんでしたが、少ない参加者だからこそ、こうしてたくさんのゲームを行って議論することができました。考える時間は非常に濃く、ゲーム後は、プレイに集中した後の心地よい疲れもありましたが、とても楽しかったです。

今回行ったゲーミングは、研究や教育場面に用いられることも多いもので、取り扱う内容には現実の様々な問題が含まれており、内容がシリアスなものもあります。私たちは、ゲームで表現された身近な問題が「なぜ問題になりうるのか」を改めて考えることはあまりないように思います。社会問題の背景にある、普段は意識しないステークホルダーごとに異なる多様な価値観の違いや、社会の中に置かれた位置の影響などを、頭の中で考えるだけでなく、手を動かしたり相手と話し合ったりしながら「実感」を伴って考える入り口として、ゲーミングは非常に魅力的な手法だと私は思っています。

「楽しい」と思うことはゲームにとって大事なことですが、楽しいだけで終わらずに、プレイの感想やゲームを通して発見した事柄を、全体で共有するプロセスもゲーミングには欠かせません。今回はCoSTEPの修了生と一緒に、大沼先生を交えて、ゲームと振り返り一日かけて行うことで、非常に充実した時間を過ごすことができました。

お忙しい中呼びかけに応じて参加してくださった皆様、本当にありがとうございました。

最後になりましたが、参加者募集の広報に協力してくださったCoSTEPの種村先生、当日参加し、「THE RULE」を行って下さった古澤先生、そしてゲーム進行をおこなってくださった、大沼先生に深く感謝申し上げます。