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札幌市におけるICT活用企画「アニマルめがねパーク 〜VR生き物の視覚を考えよう〜」を開催しました

2019.4.3

執筆:山本 将隆

メディアデザイン実習:大橋 真智子/春日 遥/北村 春菜/小西 祐輔/山本 将隆

2018年12月16日(日)14:00~16:00に、札幌駅前通地下歩行空間(通称:チカホ)の北2条広場にて、札幌市と北海道大学CoSTEPメディアデザイン実習主催の「アニマルめがねパーク 〜VRで生き物の視覚を考えよう〜」が行われました。本イベントでは、VRゴーグルを生き物の「めがね」になぞらえて動物の見ている世界を表現しました。来場者にはさまざまな企画を通して多様性に富む生き物の視覚について考えてもらいました。

(VRを楽しむ子どもとレクチャーするメディアデザイン実習の受講生)

当初、本イベントはNo Maps2018に出展した「アニマルめがねラボ 〜VRで生き物の視覚を考えよう〜」(日時:2018年10月14日(日)/場所:札幌市円山動物園)と、いきもにあ2018に出展した「アニマルめがねラボ ~VRで体験!生きものの視覚。~」(日時:2018年12月2日(日)/場所:神戸サンボーホール)の再演という形を予定していました。しかし、「よりよい科学技術コミュニケーションを行おう!」というメディアデザイン実習メンバーの飽くなき探究心から、単なる再演ではなくVR映像作品に加えて新しい試みも行いました。

(会場全景。中央が今回利用した巨大スクリーン)

まずは、デジタルサイネージを利用した2つの映像作品です。1つ目はマクセル製のタッチスクリーンと超単焦点プロジェクターを用いた、クイズ形式で動物の視力について双方向的に学べる作品です。来場者は手元のタッチスクリーンに投影される問題に手でふれて答えると、その解説が前の巨大スクリーンにも表示されるようになっています。回答者だけではなく、その場にいる人たち全員で解説を共有できるのです。

クイズ自体は身近なソフトウェアであるPower Pointのハイパーリンクや録音機能を駆使して作成されたものです。いわゆるパワポでこんなにもクオリティの高いインタラクティブ作品を作れることに、制作の当事者であるメディアデザイン実習メンバー全員が驚きました。

(手元のタッチスクリーンを利用して、視力のクイズにチャレンジする来場者)

2つ目は人と動物の動体視力の違いを表現した作品です。動体視力についての詳しい解説は「動体視力なのだから、映像で見てもらった方がいいに決まっている!」とメンバーの意見が一致し、映像化に挑戦しました。動物の名前が画面を横切る速さで人と動物の相対的な動体視力の差を表現したり、文字が点滅する回数を当てるクイズを通して動体視力の測り方について理解してもらえるコンテンツを作成しました。

(横切る文字の速さで、動物の動体視力の違いを体感する親子)

また、動物の色覚を体感する新しい展示コーナー「色の遊び場」も用意しました。ここではイヌやネコの色覚を体感できるアプリを用いて、着色料の有無で異なる2種類のキャットフードを見比べたり、カラフルなフルーツバスケットや電飾を見ることで、人と他の動物では色の見え方が異なることを体感してもらいました。また、イヌの色覚に配慮して作られた、まさにイヌのためのユニーバーサルデザインを施されたハードルの実物を展示し、どういう点がイヌにとっての配慮なのかも体験してもらいました。来場者は自分の見たいものを、リアルタイムでイヌやネコの色覚で見ることができるので、すでに完成されたVR作品とは一味違った体験になったのではと思います。

(色の遊び場。手前にカラフルな電飾、中央の机にはフルーツバスケットがあります)

そして、最後に忘れてはいけないのが世界観。会場には人工芝をひき、カメやカエル、ヤモリのVR映像コーナーにはブルーシートの池や発泡スチロールの岩を作り、色の遊び場にはリアルなイヌの人形を飾ったりしました。極めつけはスタッフの衣装で、カメ、カエル、イヌ、ネコ、フクロウの全5種類を用意して着用しました。

(左からフクロウ、カメ、カエル、イヌ、ネコになった運営スタッフ)

第3回目となったアニマルめがねシリーズは来場者がひっきりなしにやってきて、2時間のイベントにも関わらず100人以上の方にご来場いただきました。最後になりましたが、本イベントの開催にご協力いただいた関係者のみなさまに深く御礼申し上げます。ありがとうございました!

(当日の運営スタッフ全員で記念撮影!)

主催:札幌市/北海道大学CoSTEPメディアデザイン実習
運営:特定非営利活動法人 UNISON 札幌市IT振興普及推進協議会
協力:No Maps実行委員会
池田宥一郎(株式会社工房あにまうぇあ 取締役)
北海道大学COI『食と健康の達人』拠点
マクセル株式会社
*本イベントではマクセル株式会社のタッチスクリーン(MT-01J)を導入しています。
株式会社ニトムズ
*本イベントでは株式会社ニトムズのHARUを導入しています。
監修:水波 誠(北海道大学 大学院理学研究院 生物科学部門 行動神経生物学分野 教授)
当日お手伝い:櫻井 弘道/田仲 鼎/堤 光太郎/西村 友里/福本 峻介/藤井 真知子/松田 直輝/三上 博光