アノオンシツでは、生態をテーマに作品制作を進めている2人のアーティストのトークを開催します。10月末に北海道大学の雨龍研究林と中川研究林を見て感じた魅力や特徴、自分の作品とのつながりや、今後の制作に向けての可能性について話し合います。
イ・ソヨさんは、韓国生物学の歴史を扱って、近代化の過程で書かれた文献を軸に現代の植生を調べて標本やテキストなどの形で作品を発表しています。同日の昼間に温室に生きるイチジクやハスカップを用いて絵の具(顔料、lake)を制作するワークショップの話にも触れます。オロ・ミンギョンさんは、音を用いて自然の現象を追っていく作品を作るサウンドアーティストです。水の流れを追いながら人間の営みが自然に与える影響を考えられる作品から、公演・展示・映画音楽まで幅広く活動しています。
今回のトークを通して、自然に対する眼差し、アーティストならではの発見、アイデアを形にしていく独自性について触れることで、森に対する理解がより広まることを期待します。 秋の終わりを満喫できるアノオンシツ会場にて対面で開催すると同時に、インスタ ライブも予定しています。愛情溢れる森に対する視線で、北大の森について考えてみましょう。
日時:2024年11月8日 18:30~20:00 (会場18:00)
場所:アノオンシツ map (insta liveはアノオンシツのアカウントで進めます)
ゲスト:イ・ソヨ(アーティスト) オロ・ミンギョン(アーティスト)
進行/通訳:朴 炫貞
参加:無料、事前申込なし
主催:アノオンシツ(北海道大学 CoSTEP + 北方生物圏フィールド科学センター)
協力:BOAN1942
*トークは日韓順次通訳で進めます。
*当日、会場は寒いため暖かい服装でいらしてください。
*温室では植物を用いたお茶を提供する予定です。
ゲスト:イ・ソヨ
韓国生物学歴史を用いて視覚芸術作品を制作するアーティスト。自然史および生物学標本制作という、伝統的ながらも特殊な分野の専門性を元に、ファインアートと自然科学、大衆と専門知識の間を埋める物語を作っている。アメエリミューター医学博物館(Mütter Museum of the College of Physi- cians of Philadelphia)で標本修復と保存に関する作品を制作するなど、科学とアートの境界で積極的に関わっている。ガパ島レジデンシ(2023)、韓国国立現代美術館チャンドンレジデンシ(2021)、NTU CCA レジデンシ(2018)などに参加し、国立現代美術館、ソウル市立美術館、済州道立美術館、ペク・ナムジュンアートセンター、オーストラリア現代美術館を含め、様々な機関で作品展示をしてきた。2019年から韓国芸術総合大学で生態批評理論と生物学実習ワークショップを連携させた授業を開発/運営している。
ガパ島でのレジデンシで制作した、地域の高齢者向けの植物ワークショップの様子
ゲスト:オロ・ミンギョン
聞こえないと思われる音の風景に向き合って、そこに耳を傾ける作品を制作している。個人の記憶、揺れる植物の振動などを観察しながら、小さな力ができることについて問いかけている。「unmutewater projet」や、コレクティブ「分断イメージセンター」、コレクティブ「小さな光」活動を含め、展示やパフォーマンス、映画や公演音楽など、幅広く活動している。
京畿道美術館で、セウォル号事故10周期追悼のパフォーマンスに参加した時の映像