中国の現実から見る、次の10年への期待
柳下 正治
上智大学客員教授
2015.3.18
CoSTEPの活動開始後10年間。この人づくりの新しい挑戦の活動を担われてきた北大の皆様のご労苦は、本当に賞嘆に値します。またここで育った方々の社会でのご活躍を心より願ってやみません。私も講師として参加するなど、ほんの少々ですが貢献できたことを誇りに思います。
さて、私は、難問に直面する都市廃棄物問題の解決にアドバイザーとして、中国に来ています。嫌われもののゴミ処理施設を巡って、各地で住民との激しいトラブルが絶えず、「日本の経験を教えて欲しい」との中国国家政府担当者の要請に応じてまた訪中の約束。技術的・科学的に問題はなく、どう住民を説得したらよいのだろうか、と主張する担当者の話を聞けば聞くほど、これはどう考えても、科学と社会との応答の問題、コミュニケーションの問題。
CoSTEPの次なる戦略は、日本の全国展開はもとより、怒涛のごとく発展をし続ける巨大な中国社会への技術移転をしっかりと視野に入れておくことが必要に思います。