1. 立ち上げる2. どうしてCoSTEP?
科学技術コミュニケーター養成ユニットの略称が、どうしてCoSTEPとなったのか。そこには紆余曲折があった。なにせ、科学技術コミュニケーター養成ユニットの英語名称も決まっていなかったのだから。
英語名称をどうするか。この議論は、英語に堪能で海外の教育システムにも詳しい、山岸みどり氏(高等教育機能開発総合センター教授)にいくつかの案を提示していただくことから始まった。2005年7月はじめのことである。
1.CoSTEP:Communicators in Science and Technology Education Program
2. ESTC:Education Unit for Science and Technology Communication
3. UCost:Unit for Communication of Science and Technology
4. EUPCoST:Education Unit for Public Communication of Science & Technology Program
5. PCoSTP:Public Communication of Science & Technology Program
山岸氏は、高等教育機能開発総合センター(いまの高等教育推進機構)に客員教授でいらっしゃっていたMcMahon氏とも相談のうえ、この5つの中から最初のCoSTEPを“一押し”と推薦してくださった。
7月末のスタッフ会議でこれらについて議論した。すると、収束するどころか、さらに2つの案が加わってしまった。
6. STCUnit:Science and Technology Communication Unit
7. USTC:Unit for Science and Technology Communication
そこで、私がMcMahon先生を訪ね、コメントを頂くことにした。すると、「3のUcostや4のEUPCostは、“コスト”(費用)を連想させるのでよくない。6のSTCUnitのSTCは、STDすなわちSexually Transmitted Diseaseを連想させるかもしれない」という。
そこで、「McMahon先生の意見もふまえ、当初案どおりのCoSTEPでどうか」ともう一度スタッフに提案したのだが、それからが大変だった。
近く着任予定の方々から、つぎつぎ代案が出てきた。(難波 美帆さんはすでに着任していたが、岡橋毅さんや、石村 源生さん、三上 直之さんなどはまだだったので、メーリングリストで意見交換していた。)
8. SCEP:Science Communicator Education Program
9. EPSC:Education Program for Science Communicators
10. PSC:Program for Science Communicators
11. PSTC:Program for Science and Technology Communicators
8月の初め、これら11個の案をめぐって、ひとしきり議論が展開された。詳細は省くが、最終的に決まったのは8月30日。「代表の杉山に一任」ということで了承をもらい、私がCoSTEPと決定した。CoSTEPに含まれるMoving forward in cooperationというインプリケーションが気に入っていたからである。(なお、このときロゴもいっしょに最終決定した。)
英語の呼称(兼、略称)が決まったおかげで、挨拶などがラクになった。「科学技術コミュニケーター養成ユニットの○○です」と言わずとも、「コーステップの○○」ですと言えば済むようになったのだから。
もっとも、「コーステップって何ですか」と問い返されるが、それは「科学技術コミュニケーター養成ユニット」とて同じことである。それから9年、いまや「コーステップ」の名はすっかり定着し、「ああ、あのコーステップですか」と言われることさえある。(もっとも、活動などがどこまで理解されているかは別である。)