2015 CoSTEP10周年
CoSTEP私史|杉山滋郎

1. 立ち上げる1.
いつ誕生したのか

文部科学省による科学技術振興調整費の一部門、新興分野人材養成で、科学技術コミュニケーターの育成を内容として公募がなされたのは、2004年秋である。これに応募すべく、私が学内で参加者を募り、書類を書いて提出したのが2005年1月。3月にヒアリングがあり、採択の内定が4月28日、正式決定は5月31日であった。(このとき、東京大学の「科学技術インタープリター養成プログラム」と早稲田大学の「科学技術ジャーナリスト養成プログラム」も採択された。)

内定の連絡をうけ、運営委員会を設けて立ち上げの準備を開始した。カリキュラムの概要について検討を始めるとともに、初年度の予算を請求する書類づくりも、石原さんを中心に開始した。その後6月1日にウエブサイトを公開し、特任教員の公募を始めた。

7月1日、科学技術コミュニケーター養成ユニットの予算が使えるようになった。だから科学技術コミュニケーター養成ユニットの誕生日は2005年7月1日である。

「科学技術コミュニケーター養成ユニット」という名はいかにも長い。アピール力もない。そこで、英文名称をもとに略称をつくり、ロゴマークも決めた。それが8月30日。このころから、公募で採用が決まったスタッフが順次、着任しはじめた

受講生の募集を開始したのは8月のはじめ、授業が始まったのは10月1日である。2005年度だけは、1年分の授業を半年間にぎゅっと詰め込んで実施した。選科も、1年目だけはその後の選科と違って、本科の授業科目の一つ以上を「選んで履修する」ものだった。

ⅰ このときの運営委員は、石原 孝二(文学研究科助教授)、栃内 新(理学研究科助教授)、細川  敏幸(高等教育機能開発総合センター助教授)の皆さん、そして私(理学研究科教授、委員長)であった。なお本稿での所属や肩書などは当時のものである。

ⅱ 詳しくは、本稿の最後にある「スタッフ在職期間一覧」を参照されたい。