2015 CoSTEP10周年
CoSTEP私史|杉山滋郎

1. 立ち上げる12.
これが、サイエンスカフェ?

とはいえ、「違和感」を感じた人もいたようだ。第1回目のサイエンスカフェが終わって2週間ほど経ったころ、ある受講生がブログにこんな感想を書いた。

渡部潤一さんのお話も、「天プラ」の方々のミニレクチャーも、私にとってとても楽しかったのですが、「これって、サイエンスカフェなのかな?」

あれっ? 初体験で、比べるものもないくせに、生意気にもそんな疑問が残りました。

期待していたものと違うという違和感、モヤモヤ感が残ったというのだ。この受講生がサイエンスカフェに期待していた「真の魅力」とは、いったい何だったのだろう。そしてどこが、それと違っていたのだろうか。

他方、サイエンス・カフェ札幌の会場で参加者から頂いたアンケートの自由記述欄に、こんな意見もあった。

すごくおもしろかったです。楽しいというべきでしょうか。ただ客席はもうすこし考えなければ、講習会や発表会のようになってしまうので、サイエンス・カフェならではの研究者のスタンスや、席の配置というのが必要かと思います。がんばってください! また参加します!!(20代男性・フリーター)

ここに出てくる「サイエンス・カフェならでは」とは、いったい何だろうか?

サイエンス・カフェ札幌も、もう75回を数えた。その間、ブログで違和感を表明した受講生も含め、毎回、毎年度、さまざまな工夫を重ね、よりよきサイエンスカフェを追求してきた。それでもなお、もう75回も数えた今、初心にかえって敢えて問うてみる必要があるのではないだろうか。サイエンスカフェとは何なのか、と。

ⅵ ※※※リンク切れ削除して良いでしょうか?http://girasole.cocolog-nifty.com/costep/2005/10/post 660f.html