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【当日編】体験型謎解きゲーム×チームワーク「エネルギー危機からの脱出ミライからの招待状~」を開催しました

2020.2.27

小川 夏佳、坪川 耀一、中村 結奈、樋口 栄子、堀内 浩水(2019年度 本科/学生・社会人)

2020年2月11日(火)札幌市環境プラザにて、体験型謎解きゲーム×チームワーク「エネルギー危機からの脱出 〜ミライからの招待状~」を開催しました。対話の場の創造実習の受講生が企画、会場探し、運営をゼロから行い、サイエンスイベントを作り上げました。定員20名のところ多くの参加希望があり、当日は小学生から大人まで幅広い年代の方にご参加いただきました。

(様々な方にお越しいただきました)

体験型謎解きゲーム×チームワーク

今回のサイエンスイベントは、協力型の謎解きゲームや対話を通じて、身の回りのエネルギー事情について考えるものです。参加者は「ミライ市」のエネルギー政策に関わる市民会議のメンバーとして、他の参加者と協力しながら謎を解いていきます。また、エネルギー政策に関する対話パートでは、互いの価値観を擦り合わせながら、今後のミライ市の方向性を決定します。それぞれの選択は、ミライ市にどのような未来をもたらすのでしょうか。

(「有限」を表す砂時計は本イベントの中核となるモチーフでした)

ストーリー

ある日、一通の招待状が届いた。

———市民の皆さまと共に、ミライ市の未来を創りたいのです。

それは、エネルギー政策を考えるために新たに立ち上げる「未来構想委員会」へ参加してほしい、というミライ市長からのものだった。会場へ向かうと、あなたと同じように抽選で選ばれた人々が集まっていた。開始時刻になり、市長が話し始めた直後……大規模停電!!

そして、謎のメッセージが流れる。

「私の名は”メビウス”。おやおや、なにやら危機的状況のようだね。さぁ、ゲームを始めようか。この危機から脱したいなら私からの謎を解いてみたまえ。まぁ、ただ謎を解くだけでは脱出できないがね。」

このままでは電気の無い生活を避けられない!謎の人物メビウスとは何者なのか?このゲームの目的とは?

あなたは、ミライに明かりを灯すことができるのか!?

(謎の人物、メビウス)

エネルギー危機からの脱出

突然起こった大規模停電とともに流れたメッセージから謎解きがスタートしました。参加者のミッションは「四文字の正解を探すこと」。多くの謎があり、その日初めて会ったチームメンバーと協力することで解き進めていました。後半には、一つのチームでは解けない謎を用意しました。ある時、参加者の一人が「他のチームと情報を共有しないと解けないんだ」と気づき、最後の「セイカイハ”マダナイ”」と言う答えにたどり着きます。最終的には5チーム中2チームが脱出成功となりました。1つのチームだけでなく、参加者全員で協力することで初めて導き出せるということは、エネルギー問題だけではなく、他の社会課題にも同じことが言えるかもしれません。一人でも何人かでも決められないけれど、市民みんなで協力することで正解を導き出せるかもしれない。そういったことを感じてもらえたらと思います。

(皆で協力しながら、謎を解いていきます。チームワークがポイント)

未来構想委員会

ミライ市のエネルギー問題について考える未来構想委員会。謎解きの前半と後半の間には、実際に未来構想委員会のメンバーになりきって、ミライ市のエネルギー政策について考えるワークショップを行いました。どんな未来になってほしいのか、各々が写真を選び、選んだ写真にキャッチコピーをつけ、チーム内で価値観の共有をするという内容です。一人ひとりが大切にしている価値観が異なること、同じ写真でも見方が異なるということを実感してもらえたと思います。また、様々な発電方法についてのミニレクチャーを入れ、日本における発電の現状についてお話しました。参加者からは、エネルギーについて知り、考える機会になったという声をいただきました。

(それぞれが選んだ「エネルギー」のイメージ)

この謎に正解は存在しない

エネルギー問題を始め、私たちの生活には「当たり前」となったことが多くあります。しかし、それらの背景には様々な事情があります。このイベントを通して、普段意識していないことについて少しでも考える機会となればと思います。

エネルギー問題に対し、様々な選択を取ることができますが、全てを解決できる唯一解は現在は存在しません。エネルギー問題に答えがないように、世の中には答えのない問題が多く存在します。答えのない問いに対して、時には解答を求められることがあります。その際に、様々な考えを持ち、多様な価値観があることを受け入れ、対話を通してそれぞれの意見を共有することが必要になります。さまざまな考えをもつ人々が共に暮らすのに、1つの正解は存在しませんが、そのヒントとして対話というツールがあるのではないでしょうか。本イベントを通して、主催者側としても改めて考える機会となりました。

(ラストに届いた未来への招待状)

ご参加いただいたみなさま、イベント開催までにご協力、お手伝いいただいたみなさま、ありがとうございました。

対話の場の創造実習 TEAMだっふル:小川 夏佳、坪川 耀一、中村 結奈、樋口 栄子、堀内 浩水、古澤 輝由

この「エネルギー危機からの脱出 〜ミライからの招待状~」は多くの人の協力の元に作られました。その経緯に関しては【準備編】をご覧ください。