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新たな学び、もっきりで!想像を超えた経験が出来る場所

2021.4.5

私がCoSTEPを知ったのは、研究室の先輩からの紹介でした。「ここじゃなきゃこんな経験できなかった」という言葉と共に、修了してもなお新たな活動に取り組もうとする姿を見て、人を動かすきっかけとなった取り組みに興味を持ちました。また私が学芸員を目指していたことから、実際に誰かに伝える・理解してもらう、そんな経験をしたいという思いにも背中を押され受講を決めました。

私が所属したソーシャルデザイン実習は、世の中の課題や考えてほしいことに目を向けて一緒に考えてもらう、そのきっかけを作る実習です。その手法や内容に決まった形式はなく、自由な発想で考えデザインすることができます。その特徴は私たちが取り組んだ3つの活動にもあらわれています。

1つ目はラジオ番組。ラジオを作った経験などもちろんなく、メンバー全員右も左もわからない状態でのスタートでした。しかし技術的な部分はプロの方がフォローしてくれる、CoSTEPのつながりの強さ・広さを感じた最初の企画でした。コロナで生活を変えなきゃいけないことをきっかけに、より良い日常を模索したい。そんな思いから始まった番組が放送されたときの達成感と緊張感は、それまでの自分には想像も出来ないものでした。

(ラジオ収録を行ったFM北海道でのメンバー集合写真)

2つ目はアーティストの方とコラボした展示企画。アート作品を通して新生活に向けた「新しいって何なのか」について来場者と対話することを目指しました。来場者とリアルタイムで対話することで、疑問や気づきを別の方にも共有する、コミュニケーションの連鎖を実感した企画でした。またラジオ番組同様プロの方と制作したことで、展示工程や表現の工夫点を直接体験・議論する貴重な経験が出来ました。

(アート展示の風景)
(解説を行う様子)

3つ目はVR空間での対話。オンラインだからこそできることを目指して、新しい技術や仕組みに挑戦しました。パソコンやアプリに詳しいメンバーがいない中、使い方や特徴を1から学び、どうしたら目標を達成できるのかとことん話し合いました。企画中一度も対面で会うことは出来ませんでしたが、オンラインだからこそ隙間の時間で頻繁に相談・調整ができました。

(クラスター内での集合写真、ロボットの顔にも個性が表れる)

最後に、ご紹介した実習活動はCoSTEPのほんの一部です。科学技術コミュニケーションを社会で実践されている方々からの講義や、活動のための知識・スキルを学べる演習。これらはインプットとして、世の中を見る視野を広げてくれます。これをどのように活かしつなげていくかは自分たち次第です。対面でもオンラインでもアートでもラジオでもVRでも、コミュニケーションの枠組みに決まりはありません。新たな一歩を踏み出す背中を押して支えてくれる、CoSTEPはそんな存在です。

「ここじゃなきゃこんな経験できなかった」

気づけば私も先輩と同じことを口にしていました。

CoSTEPでは、グラスからあふれるまで飲み物を注ぐ「もっきり」のように、想像をはるかに超えた経験が必ずできます。ぜひ新しい環境に挑戦してみてください。きっと、その挑戦がその後の生活に彩を与えてくれます。

原 勇貴 (本科:ソーシャルデザイン実習)

北海道大学理学院 修士1年