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ラジオ175回:金星の気象メカニズムを解き明かせ!! ―金星探査機「あかつき」挑戦(前編)

2010.10.23

 

●研究室に行ってみよう

北海道大学大学院理学研究院 渡部重十(わたなべ しげと)教授

福原哲哉(ふくはら てつや)博士研究員

●セレンディピティ〜科学を変えた瞬間〜

ヴィルヘルム・レントゲン「X線の発見」

◆研究室に行ってみよう〜金星探査機「あかつき」前編〜

今回は、北海道大学大学院理学研究院 宇宙惑星科学分野の渡部重十(わたなべ しげと)さんと、福原哲哉(ふくはら てつや)さんの研究室を訪ね、金星探査機「あかつき」についてお話をうかがいました。取材したのは、CoSTEP6期生の石井 伸彦さんです。

今回打ち上げられた金星探査機あかつきは、現在、金星を目指して進んでおり、12月には金星の軌道に入る予定ということですが、あかつきのミッションとは一体何でしょうか?

                       渡部重十先生

渡部先生は、金星には解明されていない様々な謎があることを、詳しく説明してくださいました。金星全体を覆う厚い雲の成り立ちや、スーパーローテーションと呼ばれる金星の気象現象については、まだよくわかっていません。その謎を解くために、あかつきには5台のカメラが搭載されています。そのうちの3台は、渡部先生をはじめとした北海道大学の先生が開発に関わったものです。

                     左は石井くん、右は福原哲哉先生

その中の1台、LIRという中間赤外カメラについて、福原先生からお話をうかがいました。過酷な宇宙の環境に耐えるカメラを制作するための工夫についての話や、気の遠くなるような苦労話に、聞き手の石井くんも思わず引き込まれます。あかつきのカメラを操作していると、あたかも自分が金星に旅している錯覚を感じる、とのお話が印象的でした。

なお、金星探査機「あかつき」については、もう1台のカメラの開発に携わった高橋幸弘(たかはし ゆきひろ)先生へのインタビューを加えた後編の放送を準備しています。日本の宇宙研究の未来について、さらに詳しくお伝えしますので、ご期待ください。

◆セレンディピティ〜科学を変えた瞬間〜

今回のテーマは、医療など多くの分野で欠かすことのできない、X線の発見にまつわるセレンディピティです。脚本担当は、須山さんです。

                        収録の様子

ヴィルヘルム/レントゲンは陰極線を研究している過程で、モノをすり抜ける光線の存在を発見し、未知の物質としてX線と名付けました。この功績により、レントゲンは第一回目のノーベル物理学賞を受賞しました。特許などの権利を一切放棄したことで、X線は多くの科学分野において応用されていきます。

なお、例によって、今回のお話も、あくまでも事実をもとにしたフィクションですので、あしからず。

 

収録お疲れさまでした。