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ノーベル賞受賞の鈴木章先生にインタビュー

2010.10.24

さる10月20日(水)、今年のノーベル化学賞を受賞された鈴木章先生(北海道大学名誉教授)に、1時間半にわたりインタビューしました。

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CoSTEPの受講生には社会人の方も少なくないのですが、今回は平日午前中の取材とあって、参加したのは現役の大学院生4人。実習で「音声・映像制作」や「広報企画・制作」を学ぶ本科生たちです。

鈴木先生は、午前9時半すぎに、北海道大学工学部材料・化学系棟の前に黒塗りの車で到着。皆で揃ってお出迎えし、お祝いの言葉を伝えました。

インタビューの場所は、2階にある材料・化学系棟の図書閲覧室。鈴木先生が定年で退職された後も時々利用されている場所です。

杉山代表が簡単に打合せをしてから、いよいよ開始。受講生が考えてくれた質問項目も交えながら、ノーベル賞の受賞理由となった「鈴木-宮浦クロスカップリング」を中心に、その意義や、発見に至る経緯、ひらめきの一瞬(セレンディピティ)などについて話をうかがいました。

共同研究者だった宮浦憲夫先生(北海道大学工学部特任教授)も同席してくださり、記憶の定かでないところは二人で思い出しては確認しながら答えてくださいました。

学生時代のことをうかがうと、かつての教科書を広げながら有機合成化学の道に進むことになったきっかけについて、あるいは大学院生のころの研究室の雰囲気などについてお話しくださいました。

研究についてのインタビューが一通り終わったあとは、4階に移動。宮浦先生の研究伝統を受け継ぐ山本靖典先生(工学部助教)の実験室で、若い人たちに期待する鈴木先生の思いをうかがいました。

「研究者には世界で羽ばたこうとする心構えが必要」「面白いことや研究したいことは、人から与えられるものではなく、自分で見つけるもの」などなど。

「科学研究の意義を広く人々に知ってもらうための活動が大切だ」とも鈴木先生はおっしゃり、CoSTEPの受講生たちを激励してくださいました。

それに刺激されてか、鈴木先生や宮浦先生の文章が載っている本に、ちゃっかりとサインをもらう受講生も。

受講生たちはこれから、今回の1時間半のインタビューはもちろん、その他の取材結果なども織り交ぜて、新たな情報発信(科学技術コミュニケーション)に取り組みます。

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