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32個のモビール挑戦!デザインワークショップを開催しました

2011.3.5

2月27日(日)グラフィックデザイン実習班は札幌市立青少年科学館において北海道で絶滅が心配されている動物たちを取りあげたワークショップを開催しました。

鈴木幸弥さん(選科B/日本野鳥の会)をゲストに迎え、簡単なレクチャーからスタートしました。実は札幌の街中でも多種多様な野鳥を観察することができます。札幌駅JRタワーの屋上、まさに都心のど真ん中からハヤブサが餌を狙っている様子を映像で紹介すると、子供たちからは「へー、すごい!」と大きな歓声が上がりました。はじめて見るシマフクロウのぎこちない狩りの様子にも食いいるように見入っていました。

レクチャーが終わるといよいよモビールづくり。オオワシ、エトピリカ、シマフクロウ、ケイマフリ、…などたくさんのイラストが用意されています。各々が気に入った鳥を選び、はさみを使って切り抜いていきます。切り取った型紙には“環境や自然と共生していくための”メッセージを書き込んでもらいました。少し難しい課題でしたが、受講生のサポートの甲斐あって全員で完成させることができました。

最後に、参加者全員のモビールを“バランスよく”吊るしていきました。絶滅危惧に指定されている動物だけを守っていればいいという短絡的な感想だけはもってほしくない、エサとなる動植物の環境だって重要です。あらゆる生命はモビールのように絶妙なバランスを保ちながら共存していることをこのワークショップを通して考えてほしい、そんな私たちのハートは(きっと)伝わったと思います。プレゼントとして用意した野鳥図鑑(鳥の解説シート)も喜んでくれました。

今回はサイエンスグッズ(科学教材)のデザインだけでなく、実践の機会に恵まれたことは本当に幸運でした。一方、大人相手のサイエンスカフェとは異なる、少人数・低年齢層へのコミュニケーション手法について課題も残りました。

しかし子供たちの生き生きとした表情を観察しながら、身近な自然環境にも関心を持ちながら学び成長してもらうために、私たちが“大人として”できることを考え続けたい、とその思いを受講生全員で共有できたと思います。

選科Bの鈴木さん、本科の安倍さん、山口さんにも協力していただきました。実習の枠を越えて多くの仲間とつくりあげたワークショップです。チームワークの素晴らしさを実感できたことも最後の実習として大きな収穫でした。ありがとうございました。

レポート:上口愛(本科・北大先端生命科学研究院技術補佐員)

写真:安倍隆(本科)