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CoSTEP大内田が京都大学と共同研究を締結しました

2024.4.10

CoSTEPの大内田が、京都大学と「メディカルイラストレーションとSocial Mediaを用いた研究成果の拡散とその効果の検証」を研究題目とする共同研究を締結しました。研究期間は令和6年5月〜令和9年4月です。

現代において、情報の拡散を調べる上で欠かせないのが、X(旧Twitter)やInstagram、FacebookなどのSocial Media(以下、SNS)です。SNSは今や日常生活において、なくてはならないコミュニケーションツールですが、学術領域においては、海外の英文誌や学会、医療機関の多くが公式SNSアカウントを持ち、科学論文を広く周知させるための戦略的なSNS運用を行なっています。中でもよく用いられるのがビジュアルアブストラクト(VA)の活用です。VAとは、イラストレーションとショートテキストを用いて論文の概要を1枚の画像にまとめ、研究内容を視覚的に分かりやくしたサイエンスイラストレーションの一種です。VAは、2016年にAnnals of Surgery誌が世界で初めて導入して以来、世界的に急速に普及し、現在100以上の英文誌が採用されています。特に、フロー型メディアであるSNSと、瞬時に論文の概要が把握できるVAは親和性が高く、VAが論文閲覧数の増加に寄与するとのエビデンスが複数あります。

一方、日本では、イラストレーションを用いてSNSで研究成果を拡散する取り組みは極めて少なく、また大学等の組織での研究成果を体系的に発信し、その効果を検証した研究も今のところありません。今回開始した共同研究では、イラストレーションとSNSを用いて拡散し、その効果として論文閲覧数や引用数の増加に繋がるかどうかを検証するもので、ビジュアルの有効性を検討する材料になることが期待できます。