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「多様化する大学内人材と、背景となる高等教育政策科学技術政策大学内マネジメントを理解する」12/12 難波美帆先生の講義レポート

2015.12.22

青木篤史(CoSTEP選科A)

今回の難波先生の講義は「科学技術コミュニケーションって?」という問いかけから始まりました。お話の中で、コミュニケーションそのものが目的となるような、「科学技術コミュニケーション」を行えばそれで終わりという時代は終わったというメッセージが伝わってきました。

続くテーマは「科学技術コミュニケーターの活路を見出す」です。大学が経済的に自立することを求められる現在、大学をマネジメントする人材が求められるようになりました。大学マネジメントの中でも、研究者支援の分野は、科学技術コミュニケーションを勉強した人が活躍できる余地があります。難波さんは、研究支援人材が活躍できる新しい職種として University Reserch Administrator (URA)を取り上げました。URA の仕事は研究者とともに研究活動の企画・マネジメント、研究成果活用促進を行うことです。

そして、2つのテーマについてグループに別れディスカッションを行い、各グループの代表が発表を行いました。1つのテーマは、大学にはどのような研究支援人材が必要か、もう1つは現在学んでいる科学技術コミュニケーションの知識やスキルの中で何が研究支援人材に活かせるか、でした。発表において受講生から出された多様な意見は、URAのスタッフへ伝えていただけるとのことでした。

最後に難波先生は、私たちに二つのメッセージを残してくれました。1つは、大学が自立するための資金集めにおいて広報を行うことは必要不可欠であること。もう1つは、CoSTEPの受講生が広報できる科学技術コミュニケーターとして活躍することで、その存在が世間からより注目されるということでした。

講義全体を通して、科学技術コミュニケーションをただ行えばよいという時代は終わり、今後は、科学技術コミュニケーションを行って何を生み出すかということを考える必要があるというメッセージが心に強く残りました。この言葉を胸に残りのCOSTEPでの学習に取り組みたいと思います。

難波先生、貴重なお話をありがとうございました。