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チラシデザイン:自在の翼を手に入れろブルーインパルス飛行技術と不安定からの数学的発想(3/3)

2016.2.9

そしてブルーカフェ当日

「チラシデザインの最終目的は、会場をお客さんで満員にすること。」

これは、CoSTEPに入った時からずっと大津先生に口すっぱくいわれてきたデザイン担当者の使命である。そして、その使命を果たしたいと思う私にとって喜ばしいことに、ブルーカフェはかつてない程の大盛況となった。予想はしていたことであったが開場前からお客さんの行列ができ、いよいよ開始という時間には参加者で会場が溢れかえり、補助席すら足りないほどであった。私のデザインしたチラシが、ブルーカフェを楽しみにして来たお客さんの手元で光っているのを見るのが何とも嬉しかった。

そして更に嬉しいことがあった。それは、ブルーカフェ終了後の高橋さんのサイン会で、大勢のお客さんが私のデザインしたチラシを色紙として使ってくれていたことである。このチラシが、高橋さんのサインと共に沢山のご家庭で大事に飾られるかと思うと、デザインした者としてこんなにも嬉しいことはない。胸がいっぱいになる瞬間であった。

(受付でのお客さんの呼び込み)

(配られるべく、待っているチラシたち)

(お客さんで満員になったブルーカフェ会場)

(真剣な表情で聞く市民)

(ブルーカフェでお話しする、高橋さんと西浦さん。

高橋さんは、パイロットの飛行服を着て、ご登壇されました。)

(ブルーカフェ後の高橋さんのサイン会では、長蛇の列ができました。)

終章

今回のデザイン実習を振り返ってみて学んだことが二つある。一つ目は、デザインって足も使うんだな、ということだ。というのも、今回のブルーカフェでは手よりも足を動かした量の方が圧倒的に多かったのだ。航空祭に行き、千歳基地見学に行き、ゲストの方々との懇親会に出向き、ポスター掲示のために北大構内を北へ南へ歩き回った。正直にいうと、こうして足を動かしていた時間はチラシのデータを作っていた時間よりも遥かに長い。けれど、こうして足を使ったことが実は一番重要なことだったということが今になって分かる。出向いた先々で、私は多くの新しい事を知り、新しい人と出会い、新しい世界を見た。そしてそれは、私の中で新しいイメージへと育つ種となった。

二つ目は、やっぱりデザインは相手あってこそ成り立つんだ、ということだ。自分の納得のいくデザインが実現できたことは確かに嬉しかったが、そんなことよりももっと嬉しかったのは、やはり誰かが私のチラシを喜んでくれたり気に入ってくれることだった。それは決して私一人だけでは味わえない、喜んでくれる人がいて初めて味わえるものだった。

こうして、半年に及ぶブルーカフェとの格闘は、私に多くの物を残して幕を閉じた。終わってみて気づけば、私は今まで全く縁のなかった航空分野に強い興味を持つようになっていた。ブルーカフェによって一番心を動かされたのは、実は他でもなくこの私だったのかも知れない。とりあえず今年の夏も千歳基地航空祭に行き、今度こそはブルーインパルスが大空を飛ぶ姿を拝まなければ、いやその前に函館で開催される北海道新幹線開業イベントで飛ぶ姿を見に行く手もあるかも知れない、などと今から気合いを入れている次第であった。

(ブルーカフェ終了後の集合写真)

 
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