児玉 葵(2016年度本科・対話の場の創造実習/学生)
2016年11月20日(日)、北海道大学総合博物館にて、体験型イベント・大人の学校「みる!しる!さわる!!ザリガニ驚室(きょうしつ)」を開催しました。
日ごろは生き物と遊ぶ機会を譲りがちな大人に、触って、学んで、思い切り遊んでもらいたい。そのような思いからタイトルを「大人の学校」とし、学校の授業を模してイベントを行いました。
(定員を超えるほどの大盛況でした)
イベントは大人を対象とし、事前申し込み制で行われましたが、会場の一角には誰もが参加できる「体験コーナー」も設けられ、お子様などで賑わいました。
(中には初めて生きたザリガニを目にする子どもも)
「号令。気をつけ。礼。」懐かしのフレーズから始まったザリガニ驚室は、開始から笑いに包まれました。ザリガニLOVERのCoSTEP受講生、古澤正三さんが「ザリガニ先生」として授業を進めていきます。
(ザリガニ先生:古澤正三さん)
ザリガニ驚室は1限目と2限目に分けられます。
1限目のテーマは、「ザリガニを触ろう・形態を知ろう」。
一人ひとりに配られた「学習ノート」の表紙に、記憶の中のザリガニを描くことから始まりました。描いた感想を述べあった自己紹介では「足の数など、意外と細かいところが思い出せなかった」という声が聞こえてきました。
(特製の「学習ノート」)
日本に生息する3種類のザリガニについての講義を聞きつつ、自分が描いたイラストとザリガニの標本を比べます。標本だけではなく、生きたニホンザリガニを一人ひとり、掴みながらじっくりと観察しました。「顔の近くに尿道があるのか!」「手だと思っていたものが足だった」など、驚きの声が上がります。
(観察ポイントと本物を見比べながら、「これかな?」)
2限目のテーマは、「生態を知ろう」。
それぞれのザリガニの生息環境ジオラマを観察し、生息地の共通点や相違点などを学びました。
(ジオラマ観察の様子。見て、触れて、透明度や水温などを感じます)
形態も生態も違う3種類のザリガニ。実はこれらのザリガニと私たち人間には深い関係があるようです。ザリガニ先生おすすめの、ザリガニとの関係を描いた番組「学校では教えてくれないザリガニものがたり」を見た後、自身とザリガニとの関係を考えました。「ザリガニと私たちはどう関わっていけばいいのか?」「自分にとって、ザリガニはどういう存在なのか?」ザリガニと遊び、ザリガニを学んだ今、改めて考えます。
(教育番組をイメージしたザリガニ人形劇)
(班長役の増田さんにとって、ザリガニは「ごらく」だそう)
「ザリガニひとつをとっても、見方を変えれば驚きがたくさんある。例えば身の回りの木にも、葉っぱにも、見方によっては違うストーリーが見えるかもしれない。ぜひそんな視点で身の回りの自然に向き合って、驚いてほしい。」
驚室は、ザリガニ先生による暖かいメッセージで締めくくられました。
(たくさんの運営スタッフと共に)
「身近な自然は、本当はもっとわくわくするものだ」。この驚室で、そう感じていただけたら幸いです。本イベントは、北海道大学総合博物館の山本先生、ミュージアムカフェぽらす浅野目さん、ポスター・フライヤーをデザインしてくれたCoSTEP受講生八木さん、学習ノートをデザインしてくれた受講生近藤さん、ここには記しきれないたくさんの方々、そして参加者の皆様のご協力を得て、無事に終了させることができました。この場を借りて、深く御礼申し上げます。
【追記1】
博物館併設のミュージアムカフェぽらすでは、ザリガニメニューとしてウチダザリガニの塩茹でとパスタが登場。ザリガニ食文化も、人間とザリガニの関わり方の一つです。
【追記2】
授業の最後に宿題はつきもの。課題は「身近な自然を探してみよう」でした。提出された課題がこちら。タイトルは、「森で見つけたびっくりぽん」だそう。素敵な視点ですね。
【追記3】
ちなみにザリガニ驚室の企画メンバーは、ザリガニのことを知った上で企画を練るために、事前にザリガニ探しの旅に出かけました。その様子が、こちら。
対話の場の創造実習:安孫子 友祐
栗原 利奈
児玉 葵
藤井 真知子
古澤 正三
ポスター・フライヤーデザイン:八木千文
学習ノートデザイン:近藤あずさ