今回のテーマはイルカ・クジラ。みなさんはどのようなイメージを思い浮かべますか?
大海原を悠然と泳ぎ、背中から潮を吹き上げるクジラの姿や、水族館で華麗にジャンプするイルカを想像するかもしれません。そもそも、イルカやクジラ、シャチなども含めて、鯨類(げいるい)とひとまとめに呼ばれます。人間と鯨類は有史以前から密接な関係を持ち続けてきました。縄文時代の人々は、すでに鯨類を食べていたと考えられています。また現在でも鯨類に関するアイヌの伝承や踊りが多く伝えられています。
人間は鯨類と長くつきあってきたにもかかわらず、鯨類についての知識は非常に限られており、謎が多いといえます。それは鯨類が水中生活のため、接点が少ないからです。一方で、鯨類は海の生態系の頂点にいます。そのため、海洋生態系の全てと関係があります。鯨類を知ることによって、海洋生態系を知ることができます。
鯨類の謎に迫るために、沖で死んで海岸に漂着した鯨類の解剖調査などから個体の情報を収集、分析を行っているのが、今回のゲスト松石隆(まついし・たかし)さんと松田純佳(まつだ・あやか)さんです。漂着した鯨類の「検死」をすることで、年齢、性別、食べたものなどがわかります。こうして鯨類などの海洋生物が陸地近くに迷い込んで座礁したり、死んで海岸に漂着する現象を「ストランディング」といいます。松石さんたちは「ストランディングネットワーク北海道(SNH)」を設立し、北海道内の鯨類ストランディング情報を収集し、調査を行っています。
いったい漂着したクジラやイルカからどのようなことがわかるのでしょう。鯨類研究を支えるストランディングネットワーク北海道の活動から人間と海との関係、海洋生態系と人間の共存について考えてみませんか。
北海道いるか・くじら110番~鯨類研究を支えるストランディング~
- 日 時:2022年11月20日(日) 14:30~16:00(開場14:00)
- 場 所:紀伊國屋書店札幌本店 1F インナーガーデン
北海道札幌市中央区北5条西5-7 sapporo55 1F(011-231-2131) - ゲスト:
◎松石 隆さん
特定非営利活動法人ストランディングネットワーク北海道理事長。北海道大学水産科学研究院教授。博士(農学)。北海道大学鯨類研究会顧問。東京生まれ。東京大学教養学部卒。大学院は東京大学海洋研究所に配属。1993年北海道大に赴任。専門は水産資源学。学生時代には鯨類目視調査船に長期乗船。著書に「水産資源学」、「出動!イルカ・クジラ110番」(いずれも海文堂出版)などがある。フルート演奏はプロ並み。
◎松田 純佳さん
特定非営利活動法人ストランディングネットワーク北海道副理事長。北海道大学水産科学研究院学術研究員。1988年京都府生まれ。2017年9月に北海道大学大学院博士課程を修了。博士(水産科学)。第8回日本学術振興会育志賞を受賞。東京大学での特任研究員を経て、2018年からは北海道大学においてストランディングした鯨類の調査研究を続ける。著書に「クジラのおなかに入ったら」(ナツメ社)。ジグソーパズル好き。最近は初めての育児に奮闘中。 - 定 員:30名(中高校生以上)
- 参 加:無料、WEBによる事前申込制 申込はこちら
- 主 催:北海道大学 大学院教育推進機構 オープンエデュケーションセンター
科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP) - その他:ご参加の際は以下3点の感染症対策にご協力ください
・マスクのご着用をお願いいたします
・体調が優れない場合のご参加をお控えください
・受付の際に、シートへのお名前とご連絡先のご記入をお願いたします