CoSTEPは2025年に20周年の記念の年を迎えます。2005年の開講以来、修了生は延べ1300名以上にのぼります。これを機に修了生間のネットワークを構築し、これからの科学技術コミュニケーション活動を発展させる様々な活動を実施予定です。

20周年記念イベント「CoSTEP宣言」

CoSTEPが開講したのは、サイエンスコミュニケーション元年ともよばれた2005年です。各地でサイエンスカフェが実施され、大学には科学技術コミュニケーションに関する講座が設立されました。

多くの大学で大学院生のための副専攻として位置づけられていた科学技術コミュニケーションの教育プログラムですが、北大CoSTEPだけは学生と学外の受講生が共に学べるよう、一般に教育プログラムを開きました。科学技術コミュニケーションが学術の場からの発信に閉じないように、多様な立場の科学技術コミュニケーターが活躍できるように、そんな思いからCoSTEPの教育は誰でも受講できる形式を取りました。研究者、ジャーナリスト、起業家、アーティスト、デザイナー、政治家、漫画家、企業の広報担当者、会社員、学芸員、公務員、フリーのサイエンスコミュニケーター、社会活動家など、社会のあらゆる立場の人々がCoSTEPに集い、CoSTEPで科学技術コミュニケーションを学んでいきます。そしてこの多様性こそ、柔らかく、しなやかにCoSTEPが持続してきたゆえんです。

20周年を機会に、この多様性を活かしたイベントを企画しました。それが20周年記念イベント「CoSTEP宣言」です。この日は、全国各地から修了生が一堂に集い、科学技術コミュニケーションのこれまでとこれからを考えます。そして最終日には、満天の星々のように散らばった科学技術コミュニケーションの点と点を結んで星座を描くように、CoSTEPの修了生だからこそ作れる科学技術コミュニケーションのマニフェスト、CoSTEP宣言を制作します。

本宣言の制作は、オンラインによるトピックの洗い出しと当日の2日間の話し合いで作っていきます。後日、制作のプロセスは公開します。

書籍「科学技術コミュニケーションの教科書」＆「用語集」作成

CoSTEPの20周年の節目に際し、科学技術コミュニケーションを学ぶ上で、基礎となる教科書を作成しています。これまでCoSTEPの教育の中では最先端の科学技術コミュニケーションのコンセプトや事例を紹介してきました。ただし限られたプログラムの中では、先端的取り組みを通底する理論や科学技術コミュニケーションの国内外の背景をしっかりと伝える部分がどうしても不足してしまいます。そこで科学技術コミュニケーションという概念を理解し、各事例の意義を考察できるよう、科学技術コミュニケーションの理論、活動を俯瞰的にまとめた内容になるよう目指しています。

また、同時に科学技術コミュニケーションの実践や基礎的なトピックを網羅でき、より一つ一つのトピックの分量が短く、読みやすい形の用語集も作成しています。こちらは先端的テーマや、周辺トピック、実践のキーワードなど幅広く取り扱い、科学技術コミュニケーションのトピックを手軽に知れる内容としてデザインされています。

これらの内容に加え、CoSTEP宣言の内容を盛り込んだ書籍を2025年度に出版予定です。

20周年特別CoSTEP クリエイト基金の設立

20周年の各取り組みをサポートするための「20周年特別CoSTEPクリエイト基金」を始めます。2024年度、2025年度にご支援していただいたCoSTEPクリエイト基金は、20周年記念事業に集中して使わせていただきます。また、20周年記念事業の内容に関する返戻品コースを設立予定です。乞うご期待ください。

20周年記念事業におけるサポーター活動の始動

20周年記念事業に修了生の意見を反映させるため、20周年記念事業のサポーター活動が始動しています。各期から代表の方々が集まり、隔月で本事業への意見をいただいています。もし本活動にご興味がある方は、CoSTEPオフィスまでご連絡ください。