ニュースでよく耳にするクマですが、何を食べているのか、冬眠ってどんな眠りなのか、いつ子供を産んでいるのかなど、クマがどういう動物か、意外に知らないことが多いですよね。世界的にみてもクマの研究者は少なく、クマの生態や生理についてもまだまだ解明されていません。
今回のゲスト、坪田敏男さん(北海道大学大学院獣医学研究院教授・北海道大学総合博物館館長)は、クマの「繁殖」や「冬眠」を中心に、クマの生理・生態の研究と同時に保全にも力を入れています。坪田さんによると、もし人が寝たきりになると筋肉や骨が弱ってしまいますが、冬眠するクマには起こらないそうです。このような多くの謎に包まれる冬眠のメカニズムや生理・生態、行動などについて何がわかってきたのかについて語っていただきます。また、クマが生きられる環境を未来に残すために挑戦し目標を達成したクラウドファンディング、これから挑戦しようとしている研究活動についてもお話していただきます。
自然環境を守り、人とクマが共存していくためには、クマの生態を知るだけでなく、クマとどう向き合えばいいのかを考えることも大切です。サイエンス・カフェ札幌×ミュージアムカフェぽらすのスペシャルドリンク片手に、博物館で興味深いクマの生理や生態、現状に触れてみませんか。
面白くて眠れないくまの話〜繁殖と冬眠の生理学〜
- 日 時:2023年6月25日(日)13:30~15:00(開場13:00)
- 場 所:北海道大学総合博物館 1F「知の交流」
- ゲスト:坪田 敏男さん
北海道大学大学院獣医学研究院野生動物学教室教授。北海道大学総合博物館館長。1961年大阪生まれ。北海道大学大学院獣医学研究科博士課程を修了。獣医学博士。岐阜大学農学部獣医学科助手、同助教授および同教授を経て、2007年4月より現職。専門は野生動物医学。とくにクマ類の繁殖と生態に関する研究は40年来の仕事。日本野生動物医学会会長、日本獣医学会野生動物学分科会会長、日本クマネットワーク代表を歴任、現在は野生動物疾病学会(WDA)アジアパシフィックセクション代表、北海道獣医師会野生動物部会長、ヒグマの会会長などを兼任。主な著書は『日本のクマ−ヒグマとツキノワグマの生物学−』(東大出版会)、『哺乳類の生物学③生理』(東大出版会)、『ホッキョクグマ−生態と行動の完全ガイド−』(学窓社)など。 - 定 員:30名(事前申込なし)
- 参 加:無料
- 主 催:北海道大学 大学院教育推進機構 オープンエデュケーションセンター科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
- 共 催:北海道大学 総合博物館