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135サイエンスカフェ札幌「おしゃべりな細胞と謎の言葉がんからコロナまで、サイトカイン研究の最前線~」を開催します

FIN
2024
6/16

細胞は実はおしゃべり、体の中でタンパク質という「言葉」を使って沢山の情報のやり取りをしています。その「言葉」こそ、サイトカインです。この「言葉」に触発され、免疫細胞はがんやウイルスなどの異物を攻撃するための強力な手段を得ることになることも分かっています。一方で、「言葉」が乱発される、すなわち必要以上に多くのサイトカインが作られると、その命令によって免疫細胞は暴走し、自分自身の組織を攻撃してしまうこともあります。

1950年代に日本人の研究者によって最初のサイトカインが発見されて以来、新たなサイトカインの発見はサイトカインハンティングと呼ばれ、まるで宝探しのようにサイトカインの発見とその研究が進みました。今や数百ものサイトカインの仲間が見つかり、あるものは関節リウマチを引き起こす原因になっていたり、がんへの攻撃のスイッチを入れていたり、体重の制御をしたり、はたまたお肌の新陳代謝を促していたりと、その働きは非常に多岐にわたります。

細胞をつなぐ言葉であるサイトカインを上手に操作することができれば、がんやアルツハイマーのような治療が難しかった疾患も私たちの身体のなかの免疫細胞を操って治療することが可能になるかもしれません。またこれまでサイトカインが引き起こす免疫疾患や新型コロナウイルス感染症において若年層の重症化の原因にもなっていたサイトカインストームも抑えることができると考えられています。

本カフェでは、サイトカインハンターであり、研究者の松田正さんをゲストに、サイトカインという謎の言葉を解読する免疫研究の今、そしてその言葉を操って病気に挑む抗体治療の最前線まで語っていただきます。

  • 日 時:2024年6月16日(日) 14:30 – 16:00(開場14:00) 
  • 場 所:紀伊國屋書店札幌本店 1F インナーガーデン
    北海道札幌市中央区北5条西5-7 sapporo55 1F
  • ゲスト:松田 正(まつだ・ただし)さん(北海道大学大学院 薬学研究院 教授)
  • 聞き手:奥本 素子(CoSTEP准教授)
  • 主 催:北海道大学 大学院教育推進機構 オープンエデュケーションセンター
    科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
  • 参 加:定員60人
  • 参加費:無料

松田 正(まつだ・ただし)さん
北海道大学大学院薬学研究院 教授

医学博士(大阪大学)。北海道大学薬学部卒業・薬学研究科修了後、大阪大学大学細胞工学センターで免疫学研究の大家である岸本忠三教授のもと、サイトカイン/インターロイキン6をテーマに学位を取得。大阪大学医学部腫瘍病理学研究室、米国St.Jude 子供病院研究所、富山医科薬科大学医学部免疫学研究室を経て、2001 年より現職。
インターロイキン6の研究成果は、慢性関節リウマチ治療薬研究?に寄与した。現在は、サイトカインシグナル伝達分子の発現や機能を制御することにより、炎症・免疫応答を人為的に操作することを目指し、精力的にアカデミア創薬研究を展開している。趣味はテニスなど球技と化石収集。大リーガー大谷翔平選手を応援中。

更新日2024.5.30