イベント

94サイエンスカフェ札幌「生きている折り細胞は平面から立体へと旅をする〜」を開催します

FIN
2017
5/27

折り鶴、折れますか? 頂点を合わせて谷折り、山折り、そして中割り折り……平面を立体に折りあげ、裏返して、また平面へ戻す。一枚の紙をさまざまに折りすすめることで、複雑なかたちを自在につくることが可能になります。そして、その形状の無限の展開の中に、科学技術を発展させるヒントが隠されているのです。
私たちの身近にある折り紙は、今や世界で ORIGAMI として知られるようになり、日本だけではなく世界中の研究者が日夜その可能性を追求しています。今回のカフェのゲストは「折り紙エンジニア」の繁富(栗林)香織さん。繁富さんは、極めて小さいサイズの材料を扱うマイクロ・ナノ工学を用いて、細胞を立体的に培養することを可能にする「細胞折り紙」技術を開発しました。細胞を極小のマイクロプレートの上で培養することで、細胞自身の持つ力でプレートが折りたたまれ、3次元の構造が出来上がる様子は、まさに「生きている折り紙」と言えます。この「細胞折り紙」技術は、今後、次世代の再生医療や新薬の開発への応用が期待されています。今回のカフェでは、科学技術にもたらす折り紙の新たな可能性まで枠を広げて、繁富さんにお話をうかがいます。

【ゲストプロフィール】

繁富(栗林)香織さん

北海道大学高等教育推進機構 新渡戸スクール 特任准教授。折り紙エンジニア。滝川に生まれ、恵庭、静内、札幌で育つ道産子。札幌市立開成高校を卒業後、室蘭工業大学機械システム科に進学。宇宙で展開できるソーラーパネルの開発を目指し、自然界でのモデルとしてラワン蕗の葉の展開と折りたたみ研究を行う。米国オレゴン工科大学留学時、医療の授業を受けたことをきっかけに、自身の工学の知識で医療に貢献したいと考える。

北海道大学の修士課程では医療機器の開発研究を、英国オックスフォード大学の博士課程では、折り紙の折りたたみパターンを利用し、動脈瘤の治療に使われる医療器具「折り紙ステントグラフト」の開発を行った。帰国後は東京大学で「細胞折り紙」技術を開発。現在は北海道大学の細胞生物工学研究室で、再生医療に細胞折り紙技術を応用するための研究を進めている。

■開催情報■

第94回サイエンス・カフェ札幌 生きている折り紙 〜細胞は平面から立体へと旅をする〜

日 時:5月27日(土)16:00~17:30(開場15:30)
場 所:紀伊國屋書店札幌本店 1F インナーガーデン
    北海道札幌市中央区北5条西5-7 sapporo55 1F(011-231-2131)
ゲスト:繁富(栗林)香織さん(北海道大学高等教育推進機構 新渡戸スクール 特任准教授)
聞き手:古澤輝由(CoSTEP特任助教)
参加費:無料
主 催:北海道大学高等教育推進機構オープンエデュケーションセンター科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP・コーステップ)
協 力:北海道大学大学院特別教育プログラム 新渡戸スクール

   :北海道大学人材育成本部 女性研究者支援室

   :北海道大学 大学力強化推進本部事業推進室

更新日2017.5.9