2015 CoSTEP10周年
CoSTEP私史|杉山滋郎

1. 立ち上げる10.
サイエンスカフェ会場

サイエンスカフェに、話を戻そう。振興調整費に応募するにあたっては、科学技術コミュニケーションを実践的に学ぶ場(実習の場)の一つとして「科学喫茶店」の開催を提案していた(応募書類では、サイエンスカフェでなく科学喫茶店と表記していた)。そこで、7月1日に科学技術コミュニケーター養成ユニットが発足するや、さっそく「科学喫茶店」の開催に向け、準備を始めた。

まず、開催する場所を探さなければならない。イギリスなどの先行例が頭にあったので、難波さんとともに、喫茶店、できれば書店の中にある喫茶店をあれこれ探した。札幌駅や大通付近はもちろん、円山あたりの喫茶店も候補にあがったように記憶している。私は2003年に、イギリスはニューキャッスルの、劇場で開催されたサイエンスカフェに参加したことがあったので、市内の小さな劇場はどうか……とも考えた。

最終的に白羽の矢が立ったのは、紀伊國屋書店札幌本店2階にある喫茶店だった。紀伊國屋書店は、数ヶ月前の4月にオープンしたばかりで、札幌市民にとって話題の店。駅のすぐ近くで、場所的にも最高だ。

さっそく書店に連絡を取り、難波さんと出かけた。当時の手帳を見ると、7月26日のところに「10:00 紀伊國屋」と書いてあるので、この日だったのではないかと思われる。

Sapporo55ビル内にある書店オフィスの応接室で、サイエンスカフェとは……という話から始めた。応対してくださったのは店長代理の伊藤雅之氏だったと記憶している。サイエンスカフェのことをある程度ご存知だったようで、「そのようなもの、やりたいと思っていたんです」とのこと。この頃、すでに東京・池袋のジュンク堂でサイエンスカフェが行なわれていたのだ。

紀伊國屋書店札幌本店入口前の エントランス・ホール(インナーガーデン)

ただ、2階のカフェについては、「あそこでは狭いんじゃないですか?」とのご意見だった。カフェの隣にある展示コーナーも、同じく手狭である。そこで伊藤さんは、替わりにビルの玄関と書店入口との間にあるエントランス・ホールを提案してくださった。いまサイエンス・カフェ札幌を開催している場所である。

結果的に、2階のカフェでなく1階のエントランス・ホールを開催場所にして、よかったと思う。道路に面したところがすべてガラス張りで、外からもイベントの様子がよく見える。まさに「街なかでのサイエンスカフェ」という雰囲気になるのだ。(冬に寒いのと、音響があまりよくないのが、ちょっと難ではあるが。)