2015 CoSTEP10周年
CoSTEP私史|杉山滋郎

1. 立ち上げる8.
ラジオ番組制作の

PCのハードディスクの中を引っかき回していて見つけた、もう一つの面白い発見は、「北大サイエンスカフェ」をやろうという構想があったこと。

科学技術コミュニケーター養成ユニットの採択が内定したとの連絡を4月28日に受け取るや、5月4日に4人の運営委員が集まって、2005年度予算を積算するための会議を開いた。スタッフ候補者に内定していた難波さんと三上さんにも、アドバイザーとして加わってもらった。

会議が終わったあと、栃内さんが旗振り役となって、難波さん、三上さんの3人で酒食を楽しんだらしい。その席で、科学技術コミュニケーター養成ユニットのことを多くの人に知ってもらうために、地元放送局の番組枠を買ってサイエンストークの番組をやったらどうか、という話が出たという。

数日後の5月8日、運営委員のメーリングリストに、三上さんから正式に提案が出された。「例えば週1回・短い時間でもいいので、長期的(最低1年間)に契約して、番組名にユニットなり北大なりの名称が入るような企画」にする。番組名としては、「北大サイエンスカフェ」や「北10条・井戸端サイエンス」などが考えられる、というものだ。

こうも書かれていた。

言うまでもないことですが、この番組は、ユニットの授業が軌道に乗ってきたら、「科学技術コミュニケーション実習」や「作品制作」のステージとして、フル活用します。(例:学生が番組の企画・取材を行う、学生の卒業制作の発表の場とする、など)

単なる広報媒体として番組枠を買うのではなく、教育活動の一環としてラジオ番組を制作するというのだ。

この提案の数時間後には、「ぜひ実現させよう」と運営委員の間で話がまとまり、K広告社に見積を頼むことになった。

CoSTEPが今日まで続けている実習「ラジオ番組制作」の源は、ここにあったのだ。そして、サイエンスカフェという言葉を盛り込んだ番組名が一つの案として挙がっていた。