1. 立ち上げる13. なぜ実践活動を?
CoSTEPの教育プログラムには、カリキュラムの中に科学技術コミュニケーションの実践活動を大きく取り入れている、という特徴がある。
なぜ、そうしたプログラムにしたのか。それは、振興調整費に応募するにあたって、こう考えたからだ。
- 科学技術コミュニケーターは実践活動を担うのであるから、実際の活動を体験しながら学ぶ必要がある。
- しかし、OJT(On the Job Training)をしようにも、適切な場がない。科学技術コミュニケーション活動と呼べるものが未だないのだから。
- だったら、自分たちで、そうした活動の場=OJTの場を創り出すしかない。
- そうした実践活動は、科学技術コミュニケーションの有効性を、研究機関や企業、自治体等に対して実証することにもなる。
- 有効性が社会的に認められれば、科学技術コミュニケーターの活躍の場(就職先など)も次第に生まれていくだろう。
- さらには、実践の成果を体系化することで、科学技術コミュニケーションに関する教科書も作り出すことができるだろう。ⅶ
これまで9年間、こうした考えにもとづいて、さまざまな実践活動(実習)を展開してきた。それらは、科学技術コミュニケーションの考え方や手法について学ぶ教育課程であると同時に、科学技術コミュニケーションを通して実際の社会に働きかける活動でもあった。
ⅶ 『はじめよう! 科学技術コミュニケーション』(ナカニシヤ出版、2007年12月発行)として実現させた。理論的考察と実践的指針との2部構成になっている。