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「科学技術コミュニケーター学び方」(7/20)種村剛先生の講義レポート

2019.8.9

橘 史子(2019年度 本科/学生)

モジュール3-2、CoSTEP教員であり、10期の修了生でもある種村先生による講義が行われました。5月から始まったCoSTEPの講義も、早いもので1/3が終わろうとしています。残された2/3の講義で、私たちはどう学びを深めていけばよいのでしょうか。「科学技術コミュニケーターの学び方」と題し、「学び」について修了生の視点を踏まえてお話しいただきました。

「学び」の違い

通常私たちが学校に通う中で得る学びは、テストや試験を乗り越えるための知識を身につけるという、終わりのあるものになっています。しかしCoSTEPや科学技術コミュニケーターの学びは、自分自身を変化・成長させるための終わりのない学びです。この終わりのない学びを継続するためには、学び自体を目的化する必要が出てきます。目的化する際には、その学びが何のために必要なのか、どう継続していけばよいのかを理解することが求められます。この終わりのない学びの学び方について、詳しく見ていきましょう。

学ぶとはどういうことか

学びの構造として、「発問-応答-評価」の連鎖があることを理解します。ここで大切なのが、「誰が発問するのか」という視点です。多くの授業では、教員からの発問に対して生徒が応答し、それを教員が評価します。それとは異なるパターンとして、生徒から発問を教員に投げかけ、その応答を生徒が評価するというものが考えられます。前者は若干押し付けの印象がありますが、後者は問う主体が教員ではなく生徒になっていることで、双方向のコミュニケーションが存在するように見えます。私たちが目指すのは後者の学びです。次に学びの機能として、知識、技能、態度の3要素を得られることが挙がります。「わかった」状態になる知識、「やれる」状態になる技能、「してみたい」状態になる態度の3要素のうち、どれか一つでも意識して得ようとすると、講義で何を学んだのかわからないという状態が解消されやすくなります。

CoSTEPで学ぶこと

ここは特に、受講生として意識したいと強く感じた部分でした。講義では、得た知識を自分の言葉で話せるように、自分のストーリーと合わせて考えながらメモを取り、講師の生き方ややり方に共感していく。共感することは相手へのリスペクトにもつながります。また、演習では自分自身何ができないのか確認することを意識する。学びには、一人、教員、仲間というような、誰と行うのかという視点も重要です。1人で学びを続けていくことは大変ですが、自然に学びができるよう習慣化したり、その過程や成果を自分のために可視化して、意識的に人に見せていくことで、モチベーションを維持することができます。教員から学ぶときには、必ず一つ「これを身につけた」と意識することで、消化不良を起こさずに学べるようになります。そして、仲間と共に学ぶことは共に教えあうことにもなり、一番強い学びのモチベーションになる、と先生は話されます。CoSTEPには、学ぶ機会を一緒に作り、考えていくことができるたくさんの仲間がいます。

自分の行う学びというものを俯瞰して考えることで、何のために学ぶのかより深く考えることができるというお話から、学びは自分自身の認識作業でもあると感じるとともに、これからのCoSTEPでの学びをさらに深めたいと強く思いました。

種村先生、ありがとうございました!