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伝え方、伝える仕組みを考える

2010.11.28

11/24の講義は、札幌市丸山動物園から朝倉卓也先生をお招きし、「伝え方・伝える仕組みを考える」と題して、動物園におけるコミュニケーションの仕掛けについて講義が行われました。

朝倉卓也先生は、丸山動物園に就職後、20年に渡って飼育員としてニホンザルの飼育の現場に携わります。その後、より動物園全体の運営に携わることを決意し、事務職員へと転身、経営課の職員として動物園の経営に関わる仕事に携わることになります。その意味で、現場の飼育員の立場と動物園経営の橋渡し的な存在として活躍されています。

朝倉先生は、人々が動物園に行くきっかけは「動物園にでも行ってみようか!」という気持ちであると述べられました。まず「行ってみようか」と思わなければなにも始まらない。その上で、そのきっかけをどのように作るか、きっかけをいかに活かしていくのかの考え方について説明されていきます。

動物園における「アースデイ」の取り組みや「指導者講習」「ナイトキャンプ」の事例をもとにしながら、さまざまなレベルのサポーターといかに協同する仕掛け・仕組みを作っていくのか、実践をもとにして明らかになった課題の解決について、解決の道筋を理論化しつつ、問題提起していかれました。

動物園の施設における空間づくり、広報の方法、イベント実施の方法、サポーターの獲得といった手法に始まり、昭和20年代から現在に至る、歴史の中での動物園の役割の変容についても話は及び、非常に様々な切り口から動物園の現状と課題を明らかにする講義であったと思います。

現場に長く関わった実績から、動物園での実践の話がふんだんに盛り込まれ、現場の生の声を聞くことができたのは、受講生に大きな刺激を与えたようです。