カテゴリー:チラシ・ポスター
イベント:サイエンス・カフェ札幌
制作者:上口 愛(2010年度本科)
制作年:2010年9月
イベント概要 第53回サイエンス・カフェ札幌 化石に秘められたミステリー 〜恐竜からのタイムカプセル〜
ゲスト:小林快次さん(北大総合博物館准教授/古生物学)
開催日時:2010年10月2日(土)16:30〜18:00
*
誰も生きた姿を知らない「恐竜」がカフェのテーマになり、まずは「恐竜」に対するイメージを私なりに書き出してみました。大きさは?地上を走る?空を飛ぶ?草を食べる?肉を食べる?そんなとりとめのないイメージからスタートしました。しかし、時代も場所も無視した漠然とした印象がまとまるはずはありません。小林先生とのミーティングで白亜紀後半、絶滅寸前の話題をメインにしましょうと方向性を決め、時代と場所を絞り込んで調べてみました。場所はアラスカ。もちろん行ったことない未知の土地です。きっと北海道の冬より寒いのでしょう。
恐竜について調べてみると、私が子供の頃に図鑑で見た姿となんだか異なります。ティラノサウルスは尻尾を引きずっていないし、ブラキオサウルスは水の中にいない!しかも子育てする恐竜まで?恐竜に羽毛!?私が恐竜図鑑から遠ざかっている間に研究は進歩し、かつての定説が変化していたのだと驚きながらも「恐竜に限らず歴史や数学や学問ってみんなそういうものだ」と納得しました。 ラフスケッチを何枚も描きました。限られた紙面から飛び出すことで生まれる空間的な広がり、そして季節感。お互いを見つめる恐竜の親子、どこかへ走っていく親子、恐竜の手のアップ、瞳のアップ、足のアップ。アラスカの話だから雪も描きたい。何度か書き溜めていくうちに空を見上げる親子がしっくりときたので、今の構図になりました。今回のカフェは子供に楽しんで欲しいというねらいもあったので親子の恐竜は気に入っています。 その後、材料選びにこだわり、様々な手法を学び、イメージは完成!とホッとするのもつかの間、次はレイアウトが待っていました。無意識に配置した文字列の並びはおさまりが悪いのですが、改良の方法がわかりません。しかし大津先生からアドバイスをうけ、再配置してみてその印象の差に感動しました。
実は降ってくる雪をアラスカの州旗である北極星と北斗七星の構図にしたかったのですが、どうしても全体のバランスがうまくとれず最後の最後に断念。でも仕上がりを見て構図にこだわり過ぎなくて良かったと、切り捨てる事も学びました。 振り返ってみると、本当に中身の濃い実習をさせてもらえたことに感謝しています。今回使わなかった素材やボツになったラフスケッチ、何もかも私の財産になりました。「格調」や「上品」という感性にたどり着くことは難しいですが、情報をデザインするという姿勢がとても参考になりました。
レポート:上口 愛(2010年本科・北大職員)