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「事例研究という方法」 5/21三上直之先生の講義レポート

2016.6.18

越谷 由紀(2016年度 本科/社会人)

科学技術コミュニケーションの事例研究の意義や方法について、三上直之先生に教えていただきました。

三上先生は、社会におけるコミュニケーションのあり方について社会学の観点から研究されています。

事例研究とは?

事例研究とは、社会で問題になっている事柄について具体的な証拠を集めて考えることです。事例を記述して分析・考察することで、問題解決につなげることがねらいです。たとえば、サイエンス・アートが社会の中でどのような役割をはたしているかについて分析した研究があります。サイエンス・アートとは、科学的知見をモチーフにして意識的に美術化したもののことです。新聞や雑誌から「頻出キーワード」を集めて、「ネットワーク分析」という手法で系統立てるのです。私は、そのような定量化の難しいテーマを分析できる手法があるということを初めて知り、驚きました。

事例研究「で」学ぶには?

まずは論文を読んでみましょう。一人、または仲間と読みこんで考えたことを話し合いましょう。そして、できればもう一歩進んで、自分の実践活動について論文を書いてみましょう。そうすることで活動の意義や課題が明確になり、活動の質を上げることができます。活動を広く知らしめるという意義もあります。

事例研究論文を書くには?

論文とは、1.未解決の重要な問題について、2.根拠を示しながら、3.自分の意見を主張する、文章の事です。具体的には、①テーマ設定 ②資料・文献調査 ③データ収集 ④分析と考察 ⑤執筆 といった手順を踏みます。いきなり完成度の高い論文を書くことはできません。日頃から、自分のテーマのお手本となる論文を見つけて分析する習慣をつけましょう。そうすればだんだんと、どのような資料を読み、どのようなデータを集め、どのような観察・分析をすればどのような考察ができるのか、わかってきます。

実践活動に生かすには?

「弱点は裏を返せば強みになる。常に問題意識を持って考え、自分や仲間の強みを実践活動に生かしてください。」と励ましてくださったのがとても印象的でした。三上先生、ありがとうございました。