本イベントは終了しました。
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健康に関する研究成果は、私たちのライフスタイルはもちろん、住む社会や地域のあり方に大きく影響を与えるといえます。私たちは、これからの地域の健康を研究者とともにどのようにつくっていくことができるのでしょうか。北海道の健康事情を事例に考えます。
今回のゲストは玉腰暁子(たまこし・あきこ)さん。特定の地域の集団(市町村の住民など)に対して非介入の観察を長期間行う「コホート研究」という手法で、喫煙と肺がんのような、生活習慣と健康事象の関係について調べています。例えば、喫煙と肺がんとの関係を、コホート研究ではどのように明らかにするのでしょうか。喫煙のような個人の生活習慣と集団の健康のつながりについて、公衆衛生の考え方をお話しいただきます。
また、玉腰さんは、北海道に特徴的な肥満率の高さと冬季の運動不足との関連に注目した研究をまさに今始めようとしています。ある地域の健康は別の地域で得られた研究成果をそのまま当てはめれば良いというものでもありません。「どのような地域を対象にして、どのような方と一緒に、どのような手法で進めていくか」について、悩んでいる際中だといいます。その背景には、玉腰さんの数々の業績の裏側にある、研究開始時の地域の担当者とのすり合わせの失敗や中心メンバーの異動などによってプロジェクトが頓挫、といった悔しい経験があるそうです。地域の健康を考える際、研究者だけではなく、その地域で暮らす人々とともにこれからの地域のあり方を話し合い、みんなで進めることが一層大切になるでしょう。
新型コロナウイルス感染症によって、個人の健康はもちろん地域や社会の健康について考える機会が増えました。これからの時代に、地域の健康を市民と研究者がどのように支え合うことができるのか、ヒントをともに探しましょう。
日 時:2021年9月8日 (水) 18:30〜19:30 ※ 本イベントは終了しました
配 信:ウェビナー
ゲスト:玉腰暁子さん(北海道大学 大学院医学研究院 教授)
参加費:無料
申込方法:事前申し込み不要
北海道大学 大学院医学研究院 教授。名古屋大学大学院医学系研究科にて博士(医学)を取得。同研究科准教授、愛知医科大学医学部 特任教授などを経て、2012年4月より現職。1988年に開始された、日本人の生活習慣とがんの関係の解明を目的とした大規模研究「JACC Study」の研究代表も2002年から務めている。2020年には北海道大学医学部の学生が新型コロナウイルス感染症の情報発信を行った「No More Coronaプロジェクト」を監修。医学的な知見と市民のつなぎ方を模索中。自分の知らない家紋を見つけることが最近の趣味。