テーマ:夢の“プラ”ライフ 〜二酸化炭素を資源に〜
日 時:2014年2月16日(日)14:00〜15:30(開場13:30)
場 所:紀伊國屋書店札幌本店1階インナーガーデン(中央区北5条西5-7 sapporo55ビル)
ゲスト:
田中 歩さん(北海道大学低温科学研究所教授)
田口 精一さん(北海道大学大学院工学研究院教授)
聞き手:滝沢麻理(CoSTEP博士研究員)
参加費:無料,当日会場にお越しください。
定 員:80名
二酸化炭素と聞くと、地球温暖化の原因という“やっかいもの”のようなイメージを持っていませんか?実は見方を変えれば、二酸化炭素は大切な「資源」ともいえるのです。
地球が誕生した約46億年前、大気は二酸化炭素で満ち溢れていました。やがてクロロフィルを持つ微生物が光合成をおこない、二酸化炭素を吸収して、糖などの有機物を生み出し、生命の世界は飛躍的に発展しました。この仕組みを解明し、もっと光合成を効率良く行う植物を作ることができれば、世界の食糧事情も改善できるかもしれません。
また、二酸化炭素の利用力をより高めた次世代の植物を原料にして、様々な製品を作ることもできます。石油ではなく植物でできたプラスチックで、ペットボトルなどの身近な製品を作る研究です。植物由来のプラスチック(バイオプラスチック)は、微生物によって二酸化炭素と水に分解され、そのまま土に還ります。「夢の“プラ”ライフ」というタイトルは、「プラスチック」と「プラント(植物)」で循環型社会を実現したいという夢が込められています。
今回のカフェでは、光合成の仕組みをさらに「進化」させようという田中歩さんと、そうした基礎研究をもとに植物プラスチックを開発している田口精一さんをゲストに迎えて、たっぷりお話を伺います。
二酸化炭素を味方につければ、人類の未来は明るい!
【ゲストの紹介】
田中 歩(たなか・あゆみ)さん(北海道大学低温科学研究所教授)
1953年京都生まれ。博士(理学)
1998年から現職。田中ラボの“7カ条”は、日々研究と向き合う大学院生の心の支えである。7カ条目では「最後に頼れるのは自分だけ」と、学生の自覚を促している。
趣味は釣り。“kurogashira”(クロガシラ)をメールアドレスに入れ、釣りでも研究でも魚信(アタリ)を見逃さず、大物を釣り上げたいと狙っている。
田口精一(たぐち・せいいち)さん(北海道大学大学院工学研究院教授)
1960年東京都生まれ。博士(工学)
東京理科大学、理化学研究所、明治大学などを経て、2004年より現職。
「畑でプラスチックを作る」を目指し研究を進めている。植物内でできたプラスチックが使用後は分解されて土に戻る、そんな低炭素社会を夢見る科学者。日々、学生のやる気を引き出すスイッチを探すのが楽しみ。