【日 時】2018年3月10日(土)13:00~16:00(開場・受付 / 12:30)
【場 所】北海道大学 工学部 フロンティア応用科学研究棟2F レクチャーホール(鈴木章ホール)
【参加費】無料
【申 込】https://costep.open-ed.hokudai.ac.jp/costep/formmail/144/
気配はすれども姿は見えぬ———。童謡や民話に登場する動物たちは、人とはぶつかり合うことのない、“遠くて近き仲”でした。
その、人と動物との距離感が、いま急速に変わりつつあります。山の熊が里に下りてきて人を襲ったり。または身を隠していたはずの狐が、市街地の真ん中に出てきて人に吠え立てたり。さらには、遠い国から人に害を為す虫たちが襲来してきています。
ですが、彼らは本当に“襲来”したのでしょうか?ほどよい距離感を踏み越えたのは、果たして動物たちなのでしょうか?人の経済活動やライフスタイルの変化に伴って、守るべき対象だった動物が害獣になったり、招かれざる外来生物がいつの間にか隣に忍び寄っています。私たちは同じ動物であっても、あるときは保護し可愛がり、あるときは駆除に頭を悩ませ、その関係性の変化に右往左往しているのです。
このシンポジウムでは、人と動物との関係性のさまざまな事例を見ながら、私達にとって”理想的な”生態系とは何なのか、そして”ほどよい”距離感とは何なのか、”共生”という言葉の意味を考えながら、皆さんと一緒に探ります。
【登壇者プロフィール】
池田 透(いけだ とおる)
北海道大学大学院文学研究科 教授。
保全生態学者。かつては都市に進出するキツネの生態を中心に研究していたが、北海道における外来種アライグマの定着に危機感を覚え、アライグマ研究を開始。害獣としての性格も持つアライグマの生態を解明するとともに、駆除に取り組む。
池田さんの研究の記事はこちら
出島 誠一(でじま せいいち)
日本自然保護協会 自然保護部副部長・生物多様性保全室長。
群馬・新潟県境の国有林「赤谷の森」で、日本自然保護協会、林野庁、地元協議会の三者で2004年から進める生物多様性復元プロジェクト「AKAYAプロジェクト」の運営を担う。生態系の頂点に立つイヌワシやクマタカを指標に、生物多様性を軸にした科学的な管理手法と、未来の森のあり方について多様なステークホルダーで対話する合意形成手法の2本柱でプロジェクトを進めている。
大西 純子(おおにし じゅんこ)
ピースワンコ・ジャパン プロジェクトリーダー。
国内外の人道支援を行なう認定NPO法人「ピースウィンズ・ジャパン」の事業の一つとして、イヌ・ネコの殺処分ゼロを支援する「ピースワンコ・ジャパン」プロジェクトをスタート。広島県で殺処分が決まったイヌを保護シェルターに引きとり、一般家庭への譲渡活動を行なう一方、災害救助犬やセラピー犬、さらにイノシシやサルから農作物を守る「里守犬」の育成に取り組む。
【司会】
池田 貴子(いけだ たかこ)
北海道大学 CoSTEP 特任助教。
キツネからヒトにうつるエキノコックス疫学の観点から、都市や里山に生息するキツネの生態を専門に研究する。
科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
共催:北海道大学 物質科学フロンティアを開拓するAmbitiousリーダー育成プログラム
【プログラム】
12:30 受付開始
13:00 シンポジウムの趣旨説明(CoSTEP:池田貴子)
13:20 話題提供① 池田透さん
13:50 話題提供② 出島誠一さん
14:20 話題提供③ 大西純子さん
14:50 休憩
15:00 パネルディスカッション「人と動物の”ほどよい距離感”」
15:55 閉会挨拶
16:00 終了
パネルディスカッション質問受付フォーム
今回は外来種問題、生態系管理や自然保護におけるステークホルダー間のコミュニケーション、ペットの殺処分ゼロ対策問題といった視点から、3人の登壇者から「人と動物のほど良い距離感」についてお話していただきます。
今回、パネルディスカッション(50分)では、来場者の皆さんからも質問を受け付けたいと考えています。ぜひ、どんな質問でも遠慮なくご記入ください。
※質問例
(1)農業被害を減らすため、生態系の頂点にいて絶滅したオオカミを導入して、生態系のバランスをとるという考え方について
(2)絶滅危惧種や特別天然記念物(ゼニガタアザラシ・ニホンカモシカなど)による農業、漁業被害が増えてきた。どう対処すべき?
(3)ペットの幸せとは何なのでしょうか?
※時間の関係で全ての質問にお答えできない可能性があります。
※同日午前10時より、2017年度CoSTEP成果発表会を開催します。1年間の学びの成果をステージ発表、またポスター発表としてお届けします。こちらもあわせてご参加ください。