実践+発信

【デザイン】68サイエンスカフェチラシ制作レポート

2013.2.26

チラシのデザインを担当したのは、本科グラフィックデザイン実習を専攻している古川雄大さん(北海道大学環境科学院修士1年)。古川さんの制作レポートを紹介します。

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それぞれの思いをイメージ化する

今回私がチラシデザインを担当したカフェのタイトルは「地震の前に何かが起こる? −宇宙技術で探る大地のシグナル−」です。私たちの記憶に新しい東日本 大震災が起こる8年前、2日前、1時間前に何が起こったのか、人工衛星から送られるGPSデータによって探っていきます。震災以降、地震研究者の間でも動 揺が生まれる中で、「地震のシグナルを探る」ということにチャレンジする先生の思いを伝えたい。話を聞いていただく方たちに、1か0かではないということ を知ってもらいたい。というメンバーの思いも受け止めて、どうデザインを組み立てていけばその目標が達成されるか、最後まで悩み続けました。

悩みに悩んだ軌跡の描き方

チラシデザインでは、地震という非常に繊細なテーマを研究する大変さや宇宙から大地のシグナルを探るという壮大さを踏まえ、「牧歌的すぎず、シリアスすぎ ず」をイメージの主軸に置きました。そのイメージを形にするために、衛星の美しい軌跡を描いてシグナルを捉えることを表現する、というアイデアを取り入れ ました。軌跡の美しさや躍動感、宇宙の壮大さを表すにはどうすればよいか、試行錯誤を繰り返し、最終的に全体の色数を抑え軌跡を大きく描いたデザインを作 成しました。地球に対して軌跡をダイナミックに描くことで、宇宙を窓から覗き込んでいるような印象を与えました。

デザインの中で、最も悩んだのが衛星の軌跡の描き方です。カラフルな軌跡や整然と描いた軌跡など、様々なパターンを作りましたが、どうもインパクトにかけ ます。そこで取り入れたのが、太さを変えて立体感を出した軌跡です。軌跡の太さを変えることによって、デザインに奥行きが与えられ、美しさや躍動感を表現 することができました。

チラシデザインでの学び

実際にチラシデザインをすることで、メッセージ性と美しさの両立がいかに難しく重要であるか身をもって経験することができました。最終的なデザインに落ち 着くまでに何度もやり直し、当初のデザインとは全く異なるものとなりました。その過程の中で、規則にとらわれすぎないダイナミックな構図やメッセージに合 う絶妙な色合いなど、多くのことを学ぶことができました。多くの意見をいただいたデザイン実習の皆さんやカフェ実習の皆さんにはとても感謝しています。ありがとうございました。