マンモス絶滅の謎と地球温暖化 北海道大学低温科学研究所 福田正巳教授インタビュー
コーステップの受講生が制作協力しているFM番組 「FRONTIER SPIRIT RADIO with 北海道大学」23回目の放送は、北海道大学低温科学研究所教授の福田正巳先生のインタビューです。
福田 先生は永久凍土地帯の環境変動について研究 をされており、マンモスについて大変お詳しい先生です。
北海 道大学の総合博物館には、マンモスについての常設展示があります。
今回 はその展示の前で福田先生のお話を聞きしました。
今から1万年ほど前に突然絶滅してしまったマンモス。
マン モスという言葉には「大きい」という意味はなく、シベリア北部の人の言葉では、マ=地中に住む、モス=動物、つまり「地中に住む動物」という意味なのだそ うです。確かに絶滅してしまった現代、マンモスが見られるのは、 すべて地中から牙などが発見されるときだけですからね。そこで地元 の人たちは、長い間、牙の生えた“地中に住む巨大なネズミ”、“巨 大なモグラ”と考えていたらしいということです。
その 後、全身が氷漬けになったマンモスが見つかったり、DNAの調査などが進むにつれ、マン モスは現代の象の仲間であるという事がわかってきました。
博物館に展示されているマンモスの牙を前に、説明を聞きました(写真下)
一時 期、北海道にもマンモスはいたと考えられています。由仁、根室、羅臼、えりもからも歯や骨の一部が発掘されています。それにしてもマンモスのこのりっぱな 牙は何のためにあったのでしょうか。その答えがわかるインタビューの前半は、ここをクリックすると聞くことができます。
この写真は先生が採集してきたマンモスの毛です。
さて福田先生によると、マンモスが突然絶滅した理由は、3つの説があるそうです。
その一、 人類の狩猟説
1万 1千年前、人類が北のほうに大移動し、そこにいたマンモスを食料として狩猟 したため、滅びてしまった。
その二、 気候変動説
1万 1千年前、寒冷期が突然終わり、急激な温暖化により積雪が増えた。
これ により、草食であるマンモスの食料が不足し、滅びてしまった。
その三、 病原体説
気候 が変わり、食料も少なく免疫力が低下したため、病原 菌やウイルスに冒され滅びてしまった。
福田先生 は、これら3つが複合した原因が、滅びた理由では?と推測されていますが、気候の温暖化がきっかけであることは確か。環境の変化が生物の絶滅をもたらすと いう現代への警告なのかも知れません。
シベリアタイガを守るための、現在の先生たちの活動についても知ることができるインタビューの後半は、ここをクリックすると聞くことができます。
福田先生ありがとうございました。