実践+発信

実践者として、CoSTEP学んだこと

2010.2.25

修了生からのメッセージを書くにあたり、自分がCoSTEPを志望した理由を読み返した。何が言いたいのか、今となっては、わからない(笑)。好意的に解釈すると「広告的な表現のうまさは、教育のような場面でも使える」という着想で、技術的なヒントを求めていたらしい。 修了した今、僕の小さな会社には、「β(ベータ)」という新たなセクションができた。広告は「いろんな人の視点を思い浮かべるプロ」の手によって作られる。仲畑貴志さんのような天才は、これを七転八倒して、一人でやり遂げる。自分もそれをやってきた。しかしベータでは、本職と一般人の区別などなく、「よってたかって」広告や広報の表現を練り上げる。クリエイティブの現場で行われる、手慣れたプロどうしの協業とは違う、手探りの作業を行う。CoSTEPでいつもやっていたように。 たぶんとっちらかる。収益だって下がる。でもやった方がいい。志望理由に書いた、技術的なヒントへの期待が満たされなかったわけではない。むしろふんだんに得られた。しかし自分としては、もっと大切な、予想もしなかったことに出会った気がする。 それはたとえば「他人を信じること」だ。条件の設定さえ間違えなければ、最適なメッセージをみんなで生み出せることの確信、といえるかも知れない。

本科生修了/岩崎 琢哉
合資会社 六芸社 代表