実践+発信

映像編集を通して、「伝える」大切さに気づく

2010.2.25

私は学部生の頃、プレゼンがずば抜けてうまい先輩に憧れ、こんな風に科学を伝えられる人になりたいなと思ってCoSTEPに参加しました。 2008年夏、北大で行われた「Tシャツワークショップ」。私はこのイベントを5分間程度の映像にすることに挑戦しました。しかし撮影素材が2時間もあることで既にウンザリし、必要な画を探すだけで四苦八苦でした。 それでもやっと自分なりに、8分間ほどの作品に仕上げました。喜び勇んで友達に見てもらうと…。「なんか、ダラダラしてるな」という酷評です。自分でもメリハリがないなと、うすうす気づいていたのですが、改めて言われるとショックでした。 自分が気に入ったシーンを詰め込んでいただけで、全然ストーリーになっていなかったのです。先生から「一番伝えたい山場を想像して編集しなさい」と言われ、ストーリーを意識しながら、個々の画を選ぶ必要があることに気づきました。 思い入れがあっても構成上必要のない絵は、ばっさりと捨てる。心情的にはつらい作業でしたが、必要な画だけで客観的に編集すると、ずいぶん分かりやすくなりました。どんなに素晴らしい研究でも、伝えられなければそこで終わりです。映像表現を学ぶことで、大学院教育だけでは得られない大切なことに気づきました。

本科生修了/齋藤 亮介
北海道大学大学院 環境科学院 環境起学専攻統合コース 修士2年