「やりたいと思ったときに、やったほうがいいよ」1年前、CoSTEPの受講を迷っていた私に、CoSTEPの6期生だった私の先輩が言ってくれたひとことです。受講して得た経験を、私は何かに役立てることができるのか? 学部4年で受講していいのだろうか? 迷いは大きかったのですが、それでもこの言葉に背中を押されて受講を決意しました。 私は学部1年生のときの授業で、たまたまCoSTEPのことを知りました。ものごとの「本当に大事なこと」を見抜けるようになりたいと思っていた私にとって、その授業の講師の方が話されていた、「科学技術コミュニケーターという役割」は本当に魅力的でした。以来ずっと、CoSTEPを受講したいと思ってきました。 メディア実習では、『リテラポプリ』制作・編集実習に取り組みました。この実習は本科・選科・研修科生の有志が集まってチームを作りました。テーマは「震災」。大学が発行する高校生向けの広報誌としては重すぎるテーマを、どう企画として落とし込めばいいのか。なかなか企画が固まらないページもありました。原稿を書いては直され……の繰り返しでした。それでもチーム全員が、伝えたいことが読者に伝わるように試行錯誤して作り上げました。私は記事の執筆に加え、それぞれの企画を冊子全体のどの位置にもってくるか考えたり、全体のコンセプトを決めたりする役割を担い、冊子全体の方向性に関わる事項について検討しました。終わってみると、実習の期間はあっという間に過ぎてしまい、今は冊子が完成したという喜びとともに、高校生にこの冊子がどう受け止められるのかという不安な気持ちもあります。 この実習で学んだこと、それは、原稿の書き方・雑誌制作の方法はもちろんのこと、対象とする読者を想定して書くということでした。このことを意識するようになってから、記事に必要な要素はなにか、余計な部分はどこかを、以前よりも注意するようになりました。伝えるためには、重要でない部分をそぎ落とす作業も必要だと気付きました。 CoSTEPは「科学技術」に限らずコミュニケーションをする上で必要なことを幅広く学べると思います。今までのCoSTEP受講生をみると圧倒的に理系が多いですが、学べることは文系・理系問わず役に立つことだらけです。また、社会人と学生が同じ土俵の上に立ってものを作り上げていくことはとても貴重な経験になると思います。受講するか迷ったら、まずは応募してみませんか?
- 平等 清夏
- 北海道大学 農学部 生物機能化学科 学部4年