2014年8月4日(月)に、北海道大学オープンキャンパスのプログラムの一つとして、「大学院生と、研究・将来について話そう ―北海道大学の大学院生による魅力的な研究のプレゼンテーションとキャリア相談―」が開催されました。
文理問わず、多様な分野から集まった大学院生18名が、道外、道内遠隔地からの参加者が大半を占める32名(午前・午後の部ののべ人数)の意欲的な高校生(>その他保護者4名)に、自らの研究内容とその魅力をわかりやすく伝えました。
さらにその後には、大学院生と高校生が気軽に語り合うフリートークの時間が設けられました。大学生活や受験、将来の進路などについての高校生からの質問に、大学院生はそれぞれの経験から真摯に答えており、両者にとって大変有意義で、楽しい時間になったのではないかと思われます。
このプログラムは、CoSTEPが今年度前期に提供した大学院共通科目「大学院生のための研究アウトリーチ法」の一環(最終成果発表会)として実施されたものです。この日のために大学院生たちは繰り返しプレゼンを練り上げ、高校生に興味を持って耳を傾けてもらえるように、一方的に情報を伝えるのではなく、相手に対する想像力を働かせながら、プレゼンの質を高める試行錯誤を重ねてきました。当日は、その成果が十分発揮できたのではないでしょうか。
北大のオープンキャンパスのプログラムの中で、今回の様な、多様な専門分野の研究の話を複数の話者、それも自分たちのロールモデルになり得るような年代の大学院生たちから聴くことができ、さらに双方向的なコミュニケーションの場も用意されているような内容のものは非常に珍しく、まだ進路の決まっていない高校生が自らのキャリアについて考える上で、非常に意義深いものだったことでしょう。
なお、本プログラムの午前の部は、ニコニコ生放送((株)ドワンゴ)で生中継されました。全国からのべ30,000人を越える方々に視聴して頂き、コメントも5500個程度ありました。殆どのコメントが好意的なもので、北海道大学の学生やキャンパスに好印象を持ったことが窺え、「北海道大学に入学したい」といった主旨のコメントも散見されました。
一方、この生中継の実現にあたって、様々な意見を持つ大学院生の考えを聞いたり、彼ら彼女らとディスカッションしたりしてきましたが、それ自体、大変有意義なことだったと思います。
今回の生中継は、おそらく、大学院生にとってかけがえのない貴重な体験となったことでしょう。それと同時に、北海道大学の新しい社会貢献、アウトリーチ、広報のあり方としての可能性を強く感じる機会でもありました。
もちろん、インターネット生中継ならではの課題も決して少なくはありません。インターネットに関連する様々な事件や「炎上」を普段見聞きしていると、研究内容のプレゼンと言えども、自分の顔や素性を明かしてインターネット上で情報発信することに大きな不安を感じる学生がいるのも無理もないことでしょうし、生中継ともなればなおさらでしょう。一方で、インターネット関連企業の意思決定のスピードと、大学のスケジュール感覚や組織決定のスタイルを擦り合わせるのもなかなか大変な作業です。
それでもなお、科学技術コミュニケーションの立場からそれらの課題一つ一つと丁寧に向き合いつつ、高等教育の中で学生がより経験値を高められるような学習環境の開発、時宜に適った大学の社会的機能の再構築、そしてより革新的な科学技術コミュニケーション実践を実現していくために、チャレンジを続けていきたいと考えています。
ニコニコ生放送
(上記リンク先のアーカイブはいつでもご自由に視聴できます)
概要
日時 2014年8月4日(月)9:30-15:30
会場 北海道大学学術交流会館第3会議室
定員 30名(先着順)
対象 高校生
話題提供者 北海道大学の大学院生18名
プログラム
【午前の部】
9:30 大学院生による研究紹介
異なる専門分野の大学院生8名が、この日のために特別に準備してきた、自分の研究についてのわかりやすいプレゼンテーションを行います。高校生のみなさんに、大学での「研究」とはどのようなものか、それぞれの専門分野にどのような魅力的な「問い」を見いだすことができるのかを伝えます。
11:15 大学院生とのフリートーク、キャリア相談
学部4年間を過ごした大学院生だからこそわかる大学生活や進路選択、卒業後のキャリアについて、様々な専門分野の大学院生が、自らの経験を踏まえて高校生のみなさんの疑問に答えます。
12:00 昼休み
【午後の部】
13:00 大学院生による研究紹介
※午前、午後の登壇者、プレゼン内容は異なります。
15:00 大学院生とのフリートーク、キャリア相談
15:30 プログラム終了
話題提供者・内容一覧
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