せっかくの大学院生活を研究だけにつぎ込むのはもったいない。そんな時に「大変だけど楽しいよ」と紹介されたのがCoSTEPだった。調べてみると、どうやら自身の研究を他者に伝えるための技術を様々に学べるらしい。どうするか迷ったものの、刺激ある大学院生活を送りたかった私は受講を決めた。
(7月に行われていたサイエンスパークの集合写真)
実際受講を始めてみると、なるほど良く練られたプログラムである。背景が異なり意欲ある学生と社会人が互いに刺激を与え合える環境。科学技術コミュニケーションのための理論面や実践方法について学ぶことのできる講義。実践に必要なスキルを手を動かしながら学ぶことのできる演習。そして0から実践の場に飛び出していくことのできる実習。社会と専門家をつなぐための第一歩を踏み出すチャンスがCoSTEPには多数存在していた。
(ソウルで行われた国際交流ワークショップのグループワーク)
もちろん、修了するための道のりは簡単ではなかった。まず受講前に考えていたよりも遥かに院生の生活は忙しい。その中で水曜夜と土曜を取られ、課題や実習準備で更に時間を確保する必要が生じた。特に私のいた「札幌可視化プロジェクト」実習は今年度が立ち上げで、皆が暗中模索しながら実習を創り上げるのは多大な時間とエネルギーが必要とされた。その上、他の活動もいくつか行っていた私は、時間を生み出すのに非常に苦労した。
(市電貸切イベントでのワークショップ発表の様子)
それでも今、振り返ってみて思う。時間をやりくりしてでも、CoSTEPに飛び込んでみて良かった。同じものを見るのでも、受講前後で見え方は変わった。単位が出ないからこそ、評価を恐れずに自由に試行錯誤できる密度の濃い1年になった。
大学院生