実践+発信

CoSTEP広げた世界

2017.3.31

私が、CoSTEPを受講しようと思ったのは、卒業研究につぎ込んだ1年間が終わり、研究室という密閉空間に疲れ、もうちょっと社会とつながりたいと思っていたときでした。「どうしたら、科学の面白さを伝えられるだろう?」そのヒントを求めてCoSTEPに入りました。

愉快なWebデザイン班と歩んだ1年

Webデザイン班では、その疑問に対するアイディアを形にする機会に恵まれました。その一つが「チ・カ・ホ農学校2」でつくった細胞バーチャルリアリティ(VR)です。まるで細胞のなかに入ったような世界をWebサイト上に表現しました。科学の知識を新しい方法で表現してみたいと思っていた中で、実習中に出会ったVRを体験したときに、これでやってみたい!とビビっときました。

イメージを形にしていくのはとても楽しい作業でしたが、もし独りで作っていたら、ただの自己満足的な表現になっていたかもしれません。イベントの目的と対象に何を伝えたいかをメンバーと話し合って一緒に作りあげたことで、「科学技術コミュニケーション」として完成したのだと思います。

学業とCoSTEPの両立に不安を抱いているあなたへ

本科では、実習以外にもさまざまなプロジェクトが行われていて、挙手制で参加することができます。つまり、やりたいと思えばいくらでもやれる環境です。受講生はそれぞれ自分なりに学業とCoSTEPの両立に取り組んでいました。そんな中で、CoSTEPが始まって3か月くらいたったとき、一人のメンバーが研究室とCoSTEPの両立を悩んでいました。「みんながいろいろなことに挑戦している中で、自分は研究で精いっぱいで、取り残されている気がして焦る」と。そのときに、みんなから出たアドバイスが、「自分の心がわくわくするか」を基準に選べばいいというものでした。

大学院生の時間は有限です。その中で学業は大きな割合を占めて、残りの時間はもっと少ないです。たくさんのことに挑戦するのはいいことですが、それでパンクしてしまっては元も子もありません。あなたがCoSTEPに入りたい!と思った時に「わくわく」を感じたと思います。そのように強く自分の心を動かされるプロジェクトがあったら、一球入魂の思いで取り組めば、そこから必ず多くのことを学べます。

私は、まず研究生活があって、CoSTEPは世界を広げる場所だと位置づけていました。CoSTEPでの学びを楽しく有意義に過ごすためにも、CoSTEPと自分の関係性を考えておくのもおすすめです。そして、それぞれが「自分のペース」にあった学び方ができるのがCoSTEPだと思います。

さいごに

CoSTEPの1年を終えた今、専門的に深く掘り進める研究の考え方に加え、広い視野が必要な科学技術コミュニケーションの基礎を身に付けることができました。専門性の高さと、幅広さを併せ持つ「T型人材」に一歩近づいたと思います。CoSTEPの門をたたいた時の気持ちを忘れずに、これからも成長していきたいです!

高橋 小春(本科 Webデザイン実習)

生命科学院修士1年