2021年2月6日に第17回科学コミュニケーション研究会 年次大会「コロナ禍における科学コミュニケーションの実践と課題、今後への展望」が開催されました。その第1セッションでCoSTEPの川本が「コロナ状況下のCoSTEPの 活動とその課題 JJSCとSNSを中心に」と題して発表をしました。
発表ではまず、教育を中心に実践・研究を連携させるというCoSTEPの事業の特徴や、独立性のたかさ、という組織の特徴を紹介しました。そのうえでコロナ流行下において教育プログラムを継続的に実施することを重視し、さらにコロナに関する発信・コミュニケーションを行ったと話しました。
様々な取り組みを行いましたが、今回はFacebook「いいね!Hokudai」と、学術誌『科学技術コミュニケーション(JJSC)』におけるコロナ関連の事例について報告をしました。「いいね!Hokudai」でスタッフはコロナ関連記事を56本掲載し、大きな反響があった記事もありました。また、様々な方に発表の場を提供し、より確度が高く、記録性が高い情報を発信するために、JJSCではコロナに関する小特集を企画し、7本が掲載されました。
これらの活動は、既に実施しているプラットフォームや人的ネットワークを基盤とすることで、立ち上げや持続可能性の負担を下げる事、状況に合わせた発信を過度に繰り返すことで疲弊しない事を重視しました。SNSやJJSCではこれまでにないアクセス数など、一定の成果をえました。しかし、より本格的に「今、そこにあるコミュニケーション」に対応できるようするためには、組織内においても組織間においても改善すべき点が厳然として存在することを改めて認識しました。
なお、研究会の第2セッションでは、CoSTEP修了生でBusiness Insider Japan記者の三ツ村崇志さんが発表し、第3セッションの登壇者の一人としてCoSTEP修了生の一方井祐子さん(東京大学)が参加しました。科学技術コミュニケーションは、多様な立場と専門性をもつ人々のネットワークによって初めて実現できるものです。今後もCoSTEPは問題意識を共有する方々と議論する場に、積極的に参加して行きたいと考えています。