2024年10月16日から17日まで2日にわたって、プリンスオブソンクラー大学でサイエンスコミュニケーションに関する講義とワークショップを開催しました。CoSTEPのスタッフの奥本、朴、大内田が担当しました。
タイの南部に位置するソンクラー。海に面していて、マレーシアとも近い街です。タイに5つのキャンパスがあるプリンスオブソンクラー大学。その中の理学部の招聘で、サイエンスコミュニケーションについての講義を行いました。
Lightning talk “Lab to Life – the Art of Science Communication” Wrokshop “HMH? for Science Communication
初日の午前中には、奥本さんによる「Lightning talk “Lab to Life – the Art of Science Communication” Wrokshop “HMH? for Science Communication”」でした。大学生から教職員まで、40人を超える参加者と一緒に、CoSTEPの紹介から、サイエンスコミュニケーションの特徴について話しました。
話の後には「HMHワーク」が続きました。今問題だと思うことを元に、未来の目標を考え、そこに到達するための現在のアクションについて考えていくワークで、グループに分かれて話し合った後、全体で共有します。
Discussion workshop: Imagination of Science Communication
初日の午後には、教職員むけのワークショップ「Discussion workshop: Imagination of Science Communication」を、朴が担当しました。
想像力を軸として、アイデアの発想に関するプロセスや大事さ、アートの鑑賞、社会と現代アートとのつながりなどについて話題提供し、ワークを3つ続けました。ミナイデミルワークから情報の取捨選択の話を、対話型鑑賞ワークや、文章デッサンを通したアート作品の共同鑑ワークを通して、手を動かしながら考えていくサイエンスコミュニケーションを体験できるようにしました。
最終的にはアートとサイエンスコミュニケーションの可能性や特徴について話しました。教職員むけのワークショップとのことで、普段の教育・研究活動に因んだ話が出たり、専門性からアートへの切り口が見えたりするワークショップでした。
Preliminary workshop: “Science storytelling”
2日目の午前中には、大内田さんによるモンスターワークショップ「Preliminary workshop: “Science storytelling”」を開催しました。
この日はプリンスオブソンクラー大学に付属する高校の生徒約40人が集まり、8グループになって各グループがオリジナルのモンスターを創って科学的な生態を考えました。モンスターは絶滅の危機に瀕しているという設定で、人間との関わりを踏まえた上で、なぜ絶滅しそうなのかをじっくり考えます。
ワークショップの後半は、「科学技術コミュニケーターになりきって各モンスターへの支援を訴える」というミッションを与え、班ごとにプレゼンテーションを行い、それを聞いた参加者に「どのモンスターを一番支援したいか」アンケートをとりました。
異なる文化圏でサイエンスコミュニケーションに関する相違が面白さとして感じられた2日でした。アウトリーチにとどまらず、もう一歩踏み込んだ、地域に根付いたサイエンスコミュニケーションの種まきができた気がします。暖かく迎えてくださったプリンスオブソンクラー大学のみなさん、講義やワークショップに参加してくれたみなさん、ありがとうございました。今後の連携も、お楽しみに!