実践+発信

英語の先生がなぜサイエンスコミュニケーション?│2025年度受講生体験記

2026.3.15

秋田 紀子│2025年度 選科A(サイエンスイベント企画・運営)
甲南女子中学校高等学校教諭

「英語の先生がなぜサイエンスコミュニケーション?」——そう聞かれることがあります。きっかけは、20期生の方と一緒にサイエンスイベントを企画したことでした。活動中、いろいろとお話を伺ううちに、CoSTEPへの興味が膨らんでいきました。「文系の私には難しいのでは」と躊躇していたところ、「大丈夫」と背中を押していただき、2025年度、選科Aとして受講することになりました。

受講前の私は、理系の内容を人に説明するなんて自分には無理だと思っていました。しかし今では、努力次第で文系の私にも理系の話ができるようになる、むしろ文系だからこそわかりやすく伝えられると考えています。修了式を終えた今、あの「大丈夫」は本当だったと実感しています。難しいだろうと感じていた過去の自分に「そんなことないよ」と伝えたいです。CoSTEPは文系の私が長年抱えていたもやもやを、解きほぐしてくれました。

3日間の集中演習で私たちの班が制作したのは、「2029年、日傘義務化法案が審議中」という近未来を舞台にしたイベントです。準備は見切り発車の連続で、私が担当したポスターもタイトルがまだ決まっていない2日目の午後から制作開始。Canvaで試みるも議論の流れと噛み合わず、先生方のアドバイスでアナログに切り替え、最後はハサミでチョキチョキと手作業で仕上げました。限られた時間の中では、ゴールを見据えて何を優先し、何を削るかを判断しながら進めることの重要さを身をもって学びました。

選科Aの班メンバーと制作したポスター

CoSTEPの学びは集中演習だけではありません。選科生が参加できる演習は6種類あり、私はそのうち4種類に参加しました。2025年度限りの「万博演習」では、企業の方から裏話や展示ポリシーをお聞きしたうえで会場を歩き、展示への理解が格段に深まりました。またCoSTEPの仲間に声をかけてもらい、受講生有志として参加したのが「サイエンス・アゴラ」です。選科A・B・C全課程から集った異業種9名がそれぞれの強みを活かして役割を分担し、私は小中高生に向けた英語訳を担当しました。3日間の集中演習とは対照的に、時間をかけてイベントを作り上げていく過程は、もう一つの大切な学びとなりました。

万博実習の様子

「理系分野に進学する女性が少ない理由」についてのご講義では、感覚でしかとらえていなかったことが、データで示され明確になりました。韓国の先生による英語でのご講義では、英語教員としての強みを活かせる場面もありました。自分だからこそ学ぶ意味がある——こう感じさせてくれるご講義でした。

修了式 選科Aのポスター発表の様子

修了式を終えた今、サイエンス・アゴラへの再参加、講演者の先生の大学訪問、修了生同士のサイエンスイベントと、すでに3つの動きが始動しています。理系・文系を問わず多様な分野の人たちが全国から集まり、ともに学び作るこの環境は、やはり特別です。学びを行動へ、人脈を協働へ——まず動く。声を上げる。自らつながる——そんな軸を、ここで得られたことに感謝しています。未来のCoSTEP受講生(22期生)の皆さま、いつかどこかで一緒にサイエンスコミュニケーションで遊びましょう。お会いできる日を楽しみにしています!