実践+発信

ワークショップ「Letter to F~未来のエネルギーへの手紙~」をSCARTSとの共催展覧会で開催しました。

2026.8.3

SCARTS×CoSTEPアート&サイエンスプロジェクト展覧会「永田康祐『風を掘る』」の関連イベントとして、CoSTEPが企画したワークショップ「Letter to F ~未来のエネルギーへの手紙~」を開催しました。参加者は、未来思考の手法を用いながら、エネルギーと自分自身との関わりについて考えました。

はじめに、CoSTEPの奥本素子さんからエネルギーをめぐる現状について話題提供がありました。世界と比較した日本のエネルギー事情や、化石燃料への依存の現状、再生可能エネルギーへの転換目標などが紹介されたほか、福島県での太陽光発電設備による反射光の問題など、エネルギー転換に伴う新たな課題についても共有されました。続いて、未来を考えるための思考法として「フューチャーコーン」が紹介されました。「起こりうる未来」「起こってほしい未来」「実現すべき未来」など、複数の視点から未来を捉える考え方をもとに、複雑な社会課題を多角的に考える方法が説明されました。

六角形のカードから広がる未来の対話

続いて、「六花ワークショップ」を実施しました。各テーブルでは自己紹介を兼ねて、自分の好きなことや関心のあることを六角形のカードに書き出します。音楽やマンガ、生き物、自然観察など、参加者それぞれの興味が並びました。次に、「エネルギー」を中心に置き、自分のカードとどのようにつながるかを考えながらカードを並べていきます。六角形のカードはさまざまな方向につなげられるため、自分のキーワードとエネルギーの間を他の参加者のカードがつなぐ場面も生まれました。
身近な出来事から未来に起こりそうなことや、「こんな未来になってほしい」という願いを語り合いながら、新たなキーワードを書き加え、グループごとに未来のイメージを広げていきました。

Letter to F

最後に、「Letter to F ―未来のエネルギーへの手紙―」として、50年後の未来へ向けた手紙を書きました。「F」はFutureだけでなく、それぞれが自由に意味を重ねながら、自分が思い描く未来のエネルギーについて言葉を紡ぎます。
「50年後には化石燃料を使わなくなっている」「エネルギーは誰もが無料で利用できる」「電子書籍が普及しても紙の本は残っている」「保育園を舞台に落ち葉を活用したエネルギー循環が生まれている」など、多様な未来像が手紙として描かれました。

ワークショップ終了後は、展覧会「永田康祐『風を掘る』」を鑑賞しました。参加者は作品を見ながら永田さんへ直接質問し、リサーチや作品制作の背景について理解を深めました。

ワークショップでは、身近な関心ごとからエネルギーとのつながりを考え、さらに未来の社会へと思考を広げることで、エネルギー問題を「自分ごと」として捉えるきっかけが生まれました。一人ひとりが望む未来を言葉にし、他者と共有するプロセスを通して、未来のエネルギーや社会のあり方について考える時間となりました。

撮影:岡田昌紘